2016年10月10日(月) |
光野桃『おしゃれのベーシック』★★☆☆☆ |
光野桃『おしゃれのベーシック』
おしゃれについて、ファッションについてとても疎いわたしが、おしゃれについて基礎知識を得たいと思って読みました。 そういう意味では期待はずれでした。
すでにおしゃれな方が、さらなるセンスアップを図るために読む、著者のファンで読む、というのなら得るものがよりあったかもしれないなあ、と思いました。
こころに残ったところ。
「おしゃれな印象をつくるものは、何を着るかということだけではないのだった。どうメンテナンスして、どう収納するか。外からは見えないそんなことが、そのひとのたたずまいとなり、オーラとなって放たれる。」(p93-94)
「ドレスも含めて、わかりやすい、ということが一番だとつくづく思いました。それはどういうことかって言うと、堂々としているっていうこと。体型とか顔とか、そうそう変えられるものじゃないし、どんな自分であっても、あっけらかんとしていられるかどうか。勝負どころはそこにあったんだと思います。」(p112)
「集中すること。そして、手放すこと。 それは日々の中でも、繰り返しわたしたちの日常の中に現れてくる選択だ。どんなにささやかな選択でも、そこから逃げず、向き合っていく。そうすることで、ひとは本来のきれいさをまとうことができるのではないだろうか。」(p131)
イタリアでの話。 「外見って、思いやりなんだよ。初対面の人に、中身までじっくり見る時間があるわけないじゃない。だから外見で自分をちゃんと表現できなきゃ、この国では一人前とは言えないの」(p134)
後ろ鏡のあるショップ。 自分からは見えない背中に現れる真実、現実。 そこに向き合うこともまた、大事。
イタリアの建築家、アンナマリアの写真を撮るために「ミラネーゼの素敵な建築家」を装ったこと。愉しかっ炊けれど悲しかった、と。 「そうか、彼女にとっては自分らしいことが一番大事だったのだ。外から見て、どんなに格好良くファッションを仕立てたところで、それは彼女ではなかった。どこかで見たような架空の人物像でしかない。わたしはそんなものを彼女に押し付けてしまった。」(p201−202)
自分らしくあること。 難しいけど、めざしたい。
光野桃『おしゃれのベーシック』
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