活字中毒のワタシの日記

2016年02月11日(木) 渡辺和子『人は死ぬとき何を思うのか』★★★☆☆


渡辺和子『人は死ぬとき何を思うのか

こころにのこったところ。

「しかし、残念ながら、死は私たちの思い通りにはなってくれません。いつ『そのとき』がやって来るかはわからないのです。だからこそ、死を真正面から見据え、考えなければいけないのではないか、それが本書の出発点でした。」(p6)

「限りある命を意識することによって、自分のなすべきこと、大切にしなければいけないことがわかります。そして、死を受け入れ、その準備を行うことで、生はより輝き、満ち足りたものになっていくのです。」(p7)

渡辺和子さんの言葉。
「せめて私たちにできることは、死を絶えず身近なものとして、忘れないようにいきていくことではないでしょうか。それは、いつ死を迎えてもよいような日々を送ることだと言えるかもしれません。」(p20)

渡辺さんが自由学園で勤めたときに意表を突かれた、羽仁もと子さんの言葉。
「あなたたちには、はきものを揃える自由があります」(p26)

「今ある自分を変えていく。これも一つの『小さな死』でしょう。『小さな死』を受け入れることで、幸せを呼び込むこともできるのです。」(p33)

大津秀一さんの章。
「彼らは、なぜ心穏やかに最期のときを迎えることができたのか。
まず大事なのは『決断』をすることである。」(p60-61)

石附幸三さんの章。
「胃瘻をつけるかどうかは、それぐらい家族にとって難しい問題なのです。」(p109)

青木新門さんの章。
「どんなに笑顔を取り繕ってみても、老いは必ず訪れ、死は確実にやって来る。その影に怯えながら、人々は生きている。だが生のみに価値を求めるのは、生物として自然な態度ではない。」(p134-135)

「飛行機も上昇した後に水平飛行に入るが、目的地が近づけば着陸に向けて下降を始める。乗客もシートベルトを締めるなど、着陸の準備をする。この着陸態勢に向けた準備をしようとしないのが、今の日本人である。」(p135)

よりよく生きる。
そのために、死を思う。

死から生を考える。
それがきっとよりよく生きるコツ。

渡辺和子『人は死ぬとき何を思うのか



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2016年01月10日(日) 西加奈子『サラバ!(下)』★★★☆☆


西加奈子『サラバ!(下)]

登場人物がとても生き生きしていて、それぞれに感情移入しながら読むことができました。
理解しがたい人物に対しても、どうなっていくんだろうと気になりながら読み進めていきました。

「『なんでもどうでもよくなるんよ。』
それこそが大切だった。りっぱなものであってはいけない。こちらを畏怖させるものであってはならない。この世で起こっている様々な出来事を、『どうでもよくなる』と、思わせるもの。」(p120)

「あの子には、自分で、自分の信じるものを見つけなあかん、て言うたんや。」(p121)

「いつまで、そうやってるつもりなの?」(p239)

読者自身にも突きつけられる問い。

「僕には分かっていた。僕だって、そう思っていた。自分はいつまでそうしているつもりなのだろうか。自ら為すことなく、人間関係を常に相手のせいにし、じっと何かを待つだけの、この生活を、いつまで続けるつもりなのだろうか。
でもそれを突きつけられると、苦しくなるのは分かっていた。苦しくなるのを分かっているから、僕はその質問から全力で逃げていた。」(p239)

「あなたも、信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。他の誰かと比べてはだめ。もちろん私とも、家族とも、友達ともよ。あなたはあなたなの。あなたは、あなたでしかないのよ。」(p250)

「あなたは、あなたの信じるものを見つけてほしい。
 そしてこの物語に、信じるものを見つけることができなかったのであれば、他の物語を読んでほしい。この世界には、数え切れないほどの素晴らしい物語が存在している。何を信じるのかは、いつだって、あなたに委ねられているのだ。」(p357)

わたしの信じるもの。

西加奈子『サラバ!(下)]



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2016年01月09日(土) R・J・パラシオ『ワンダー』★★★★☆


R・J・パラシオ『ワンダー

「もし今ここにいる一人ひとりが、いつどこにいようとも、必要とされる以上に親切にしようということを規則にしていれば、世界はもっとすばらしい場所になることでしょう。」(p404)

ベストセラーになったのもうなづける、読みやすくて考えさせられて、あたたかい気持ちになれる一冊。

多くの親子に読んでもらえたらいいな、と思います。

R・J・パラシオ『ワンダー



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