活字中毒のワタシの日記

2015年09月01日(火) 小池龍之介 『考えない練習』★★★★☆


小池龍之介 『考えない練習

禅。

いままでさまよってきた、さがしていた答えが、というより答えの見つけ方が、ここにあったようだ、と思うこの頃。

読みながら、うなづくこと多数。
自分のものとしたい。

こころにのこったところ。

「多くの方が年を取るにつれ『最近は年月が早くすぎてゆきますからねえ』という話をするようになる元凶は、現実の五感の情報を、過去から後生大事に蓄積してきた思考のノイズによってかき消してしまうことに他なりません。」(p22-23)

八正道。

「無駄なエネルギーを使わない思考、その時に最も適切な必要最低限のことだけを考えて、どうすれば無駄な思考や空回りする思考を排除できるか、さらには、どうすれば煩悩を克服できるかが、仏道のスタートであり、ゴールでもあるのです。」(p27)

「『できない自分』を自分が認めたくないという『慢』の欲。」(p54)

十善戒。

「批判や悪口を言うことで、その相手より立派な人間だというプライドを保つことができるような錯覚を得ますが、実際には、自分に怒りの煩悩が増えるだけです。」(p57)

「仏道において、人が幸せに生きていくために育てるべき感情としているのは『慈・悲・喜・捨』の四つだけです。」(p62)

呼吸法。
「大事なことはやり方ではなく、そこに意識を向けることだと考えています。」(p66)

「人は自分の姿を認知すると、変わらざるを得ません。(略)
浅い呼吸の違和感を認知することで、呼吸が変化していきます。」(p67)

「まず、どのような時でも役に立つのは、相手を突き動かしているのは、苦しみ=ストレスなのではないか、という洞察です。」(p83)

「仏道的にお勧めするのは、やはり欲とか怒りを喚起するものではなく、ニュートラルなものをしっかり見るということです。」(p92)

計画する。
「1、最初に計画をじっくり立てる
2、それを貫徹しないと、あとで嫌な思いをすることを、あらかじめ自覚しておく
3、それを邪魔するようなものは見ない訓練をする」(p127)

「なすべきことは、食べている際に感じられる味わいや食感を、ぼんやり感じるのではなく、しっかり感じることです。つまり『味わう』ということです。」(p133)

「ものを増やしすぎないことは、空きスペースをつくることに役立つのみならず、『これは自分の物ッ』と執着して思い出さねばならないきっかけが減りますから、思考のノイズを減らすことに、大いに有用であると実感します。」(p141)

「『捨てないでおいてあるもの』が増えていくと、記憶のデータベースもどんどん乱雑になっていき、覚えていられなくなるものが増えていきます。
覚えていられない物が増えると、自分の心がいまどうなっているのかを認識する能力、自分の心を広く見渡す能力、自己統御力を減らしていくことになるのです。」(p145)

「忘れたつもりでいても、心はちゃんと覚えていて、『どうしようかな』と思い続けている。」(p145)
無明の領域を増やすことになるから、危険。

「なにかがほしいというのは、裏を返せば、それがなければ不安だ、それがなければ不十分な気がするという苦をあらわしています。」(p147)

「無自覚にものを増やしていくと、必然的に人格も次第に悪化していきます。」(p144)

「実際にやってみるとわかるはずです。これまでものが増えるほうが安心すると思い込んでいだのがまったく間違いで、実は減らしたことでとても心がすっきりしたり、安心したり、安定したり、自分の心の中が見渡しやすくなったりするのです。」(p150)

「ものを処分すること、捨てることが、自分の中の『何かを失うことが怖い』という霧を晴らし、何があっても大丈夫、という勇敢なる平常心を育んでくれるのです。」(p153)

「『親切』をしたくなってしまう時の心の動き、それは一見、優しさのように見えますけれども、実際は思考ノイズの反射反応にすぎません。」(p164)

「実際のところ、困っている人にしてさしあげられる最も大事なことは、静かにしていてあげることです。黙って話を聞いてあげることです。」(p170)

「大切なことは、その方がいま何に困っていて、何を望んでいるのかが浮き彫りになるまで、じっくり話を聞くことです。」(p170-171)

「私たちは『自分の意見は正しい、間違っていない』と思い込み、見解を常に補強したがる『見』の欲に支配されがちです。」(p173)

「かわいそうなのはこの人であって、自分ではない。大変そうなのはこの人であって、自分ではない。人を心配することによって自分の不安から目をそらすことができます。」(p176)

「激しい感情ではなく、深い慈悲を育てる」(p177)

ほんとうの慈悲。
「誰かのために悲しんでいる時も、自分を背後から操る煩悩の糸を見つけて断ち切ることです。感情におぼれて嘆くという、優しい『つもり』をなくしてしまうことです。」(p178)

仏道の善友。
「お互いが堕落するような関係や、お互いの煩悩が増えるような関係、つき合っていて自分のグレードが落ちてしまうような相手からは距離をおくべきだと教えています。」(p179)
自分の心が汚れていきそうな人とは、離れる。心が穏やかに、清らかになっていく人と共にいる。

「『降伏する勇気』を持つことです。(略)
まずは、人に負けたくない、自分の歪みを見たくない、見せたくないという『慢』のプライドを捨てることです。」(p191)

煩悩だらけの自分。あー、はずかしい。そういった思考のノイズも取りのぞけるように。
降伏する勇気を持とう!

小池龍之介 『考えない練習



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2015年08月31日(月) 松本 圭介『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』★★★★☆


松本 圭介『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本

繰り返し読みたい、と思えた本でした。
教えを自分のものにしたい。できたら人生変わるし、変わりたいな、と。

変わりたいというより、整えたい。

心に残ったところ。

「シンプルな暮らしと、自分をみつめる時間。その中で一瞬一瞬を丁寧に生きること。」(p2)

「人生は日々是修行。
私たちの一つの行いがそのまま、私たちのこころをつくります。」(p2)

「『家に在りながらこころを磨きたい』と発心されたあなたなら、毎日の家事もたちどころに『こころ磨き作務』へと変わるでしょう。そしてそれは、自分のこころだけでなく周りの人のこころも磨きます。」(p4)

「掃除とは、汚れるからするのではなく、こころを磨く『修行』なのです。」(p13)

「ものを大事にしない人は、人も大事にしません。」(p16)

「目の前のものを、大切にしてください。」(p17)

前後際断。
「こころの汚れは、長く放っておくと落ちにくくなります。
しなければならないことは決して明日に持ち越さず、一日一日、気持ちよく過ごしましょう。」(p33)

四九日。
「永平寺の雲水は四のつく日と九のつく日を身の回りを整える日とし、ほつれた衣類の修繕などを行います。」(p80)

「ひとつのものを、そのもののいのちがある限り、大切に、直しながら使う生活をしていくと、ものとの向き合いかたが変わるとともに、人への向き合いかたも変わってきます。そうして、こころも落ち着きを取り戻してゆくものです。」(p81)

「どんな部屋でも、ものがひとつもないところに、カビは生えません。(略)つまり、カビが生えるということは、こころにカビが生えているサインなのです。」(p87)

「こころも同じです。きれいに磨き上げたと思った瞬間から、汚れが積もりはじめます。過去への執着や未来への不安で頭がいっぱいになり、『今』という瞬間からこころが離れてしまいます。」(p84)

「だからこそ、われわれは床磨きに全力を注ぎます。掃除は『今』に集中する修行です。部屋を美しく保つことにこだわるのは、そこに理由があるのです。」(p94)

玄関は玄妙な道に入るための関門。
「玄関が汚れていては、その後の仏道が台無しになってしまいます。われわれが玄関を特に美しく保つのはそのためです。」(p114)

「靴をそろえて脱げない人は、こころが乱れている人です。(略)
これは『今現在』からこころが離れている証拠。」(p115)

「庭の作務で大切なのは、一日の作務を『これくらい』と決めて、無理をしないこと。」(p121)

「身体をつくるのは食事ですから、それを疎かにするということは、身体も疎かにするということになります。そして、身体を疎かにするということは、そこに収まるこころも疎かにするということ。」(p150)

「量も、足るを知る。」(p151)

「実は、ものを持たない生活はとても心地よいもの。」(p156)

「ものを大事にするこころというのは、大事にしたいと思えるものに出会わないと、育ちません。」(p157)

整理整頓は
「あるべきものが、あるべきところに、あるべきようにして、ある。」(p159)

やっぱりこれに尽きますね。

「掃除というより行事に近いものですが、だからこそ大掃除はみんなで一緒に行うことに意義があります。今年も無事、家族がみんな一緒に一年を過ごすことができたことを喜びながら、一緒に掃除をする。これほど嬉しいことはありません。」(p167)

インドの山奥で。
「人間というのは、こころがけ次第でこんなにシンプルに生きられるのかと、目から鱗が落ちた瞬間でした。
モノも電気もないけれど、そこには間違いなく『豊かな暮らし』がありました。」(p171)

「自由とは、自分の思い通り好きなようにすることではありません。報われることなく、日々おだやかに、こころを喜びでいっぱいに満たして生きることです。それは、私たちの一つひとつの行為の積み重ねから生まれます。」(p173)

日々おだやかに、こころを喜びでいっぱいに満たして過ごせたら、他に何もいらないんじゃないかなーと思います。
そのためには、ひとつひとつ目の前のことを丁寧にしていくこと。

松本 圭介『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本



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2015年08月23日(日) 哀川翔『俺、不良品。』★★★☆☆


哀川翔『俺、不良品。

メモ。

「仕事に来た順」(p168)

「俺らは年中リストラを喰らってる職業でしょ。映画の現場なんて一回ずつのリストラだよ。」(p169)

「俺はたまたま立ち回ってるから、『じゃあ、次もお願いします』ってなってるけど、ちゃんと立ち回らないと、すぐ答えが出る。」(p169)

常に本気。
常に全力。
常に自分のできることを。
常に自分に何が好きか、問う。

濃い人生を生きている彼の生き様は、真似できるかは難しいけれど、はっと胸をつかれた感覚は大事にしたい。

哀川翔『俺、不良品。



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