活字中毒のワタシの日記

2004年05月30日(日) 草薙厚子『少年A矯正2500日全記録』★★☆☆☆

少年A 矯正2500日全記録
少年A 矯正2500日全記録
草薙 厚子
文藝春秋 (2004/04/06)

少年Aといえば、ああ、あの子。
(もう成人してるのですが)

神戸連続殺傷事件の犯人です。
医療刑務所での暮らし、移動先での暮らし、そして仮出所へ。

そのたびに名前が変えられてたそうです。
他の収容者たちに刺激を与えたり、社会に出てからつながりを持とうとすると、うんぬんかんぬん…。

現実のところ、彼がどうしてるかは、2ちゃんねるとかいったら詳細にわかっちゃったりするのかな。3度目に変えた名前すらも。

この本を読んだ限りでは、彼の性癖(オナニーするのに、殺傷場面を想像する)というのがなくなった、外の世界であのような事件を繰り返す可能性はない、というのが矯正に携わった側の意見。
そうでないと出てこられるわけがないし、「そと」にいる私自身も、困ってしまいます。

彼は医療少年院で、母の手記や、被害者の男の子のお父さんの手記を読んだとのこと。
家族との面会もずっと拒み続けてきた彼が、変わった。
「自分のしたことで、引っ越し先でも家族に電話や他の方法でいじめやいじわるがされることが納得いかない」
と、まともなのかまともじゃないのか私にはビミョーな発言もしている。

一生懸命汗水流して働いて、損害賠償の2億を払っていくつもりだそうです。
で、いつか御詫びにも行きたいし、お墓参りもしたいとのこと。

私が被害者の身内だったら、きっと、ふざけるな、と思うと思う。
いくら反省してくれても、奪われた身内は帰ってこない。
罪の重さがわかるのならば、死んで御詫びをしてください。
と思うだろう。

同じことを、私もある人に言われてもしかたがない状況。実は。
だからその人がそう言ったら、そうするでしょう。
死んだって御詫びにならない、だから、イキロ。という考え方もあるでしょう。

私は、死んだって御詫びにならない、だから、死ぬしかない。遺族が自分が生きていることで苦しむなら。
なんてまさに机上の空論。

被害者の子どもたちは、愛されてたんだなあと思った。
彼の母も…そうだ、いっぱいふせんはったんだ。彼の母とそっくりなこといったりしてる、私。ぞっとした。
加害者の母になる可能性。
こころしておかなくちゃ。

『少年A 矯正2500日全記録』草薙 厚子 (著)

なんだか胸がもやもやしました。実の子が殺人鬼。そのショックで御詫びの言葉も出ないものなのでしょうか。

『「少年A」この子を生んで……―父と母悔恨の手記』「少年A」の父母 (著)
『暗い森―神戸連続児童殺傷事件』朝日新聞大阪社会部 (著)
『彩花へ―「生きる力」をありがとう』山下 京子 (著)

なぜきみだったんだろうね。ご冥福を祈ります。

『淳』土師 守 (著)

検索してたらこんなのも出てきたので読んでみようかと思ってます。

『たすけて!私は子どもを虐待したくない―世代連鎖を断ち切る支援』長谷川 博一 (著)

『アダルト・チルドレン癒しのワークブック―本当の自分を取りもどす16の方法』西尾 和美

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
後日追記。
心底ぞっとした箇所。
「両親の教育方針はこういうものである。
『人に迷惑をかけず、人から後ろ指をさされないこと。人に優しく、特に小さい子には譲り、いじめないこと。しかし、自分の意見ははっきりいい、いじめられたらやり返すこと」(P82-83)

ぎゃーっ。まさに私のしつけ方針。
というか、どこの家庭でもそうなのでは?という点にぞっとした。
加害者の母親になる可能性を感じて。
自分の息子は周囲と比較しても「優しく自分からいじめない子」。
明るくて友達大好き。この頃泣き虫(そして私がイライラ)だけど。

と、読んだ時はやばいかもわたし、と思ったけど、そうでもないや。
妹がいるけど、優しくしなさい、といったことないけど優しいし、後ろ指さされても彼が信念持って迷惑はできるだけかけずに生きていきたいならそれでもいいと思う。
小さい子や弱い人、守るべき譲るべき人というのは、親がやってりゃ子どももそうするんだと思うよ。言ってもやらない。やればやる。

家庭教師先で子どもが本を読まなくて…と悩んでたおかーさんにたくさん出会ってきたけど、 ア ン タ が 読みなさい。新聞のテレビ欄だけじゃなくてさ。

一方で、泣いて「よんでぇぇえええ」とすがる子どもをほっぽって寝てしまう(鬱もあり疲れもあり怠慢もあり、ちと反省)親←自分もお手本にはならないんですけど。

少年A 矯正2500日全記録



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2004年05月25日(火) プチタンファン編集部 (編集)夫へ。大事な話があるんです―叱ってばかりの私〈2〉』★★★★★

夫へ。大事な話があるんです―叱ってばかりの私〈2〉
夫へ。大事な話があるんです―叱ってばかりの私〈2〉
プチタンファン編集部
婦人生活社 (2001/09)

目次を読んで、号泣したのは、初めてです。

帯より。
「宝くじ3億円当たったら要らない男とは思いたくない」
「やめなさい!!」と大声で子どもを怒鳴る。
ひどい言葉を投げつけて、子どもたちを傷つける。
 お 父 さ ん に 聞 こ え る よ う に 。」

幼い子供を抱えて、時にはイライラして子供を叱り過ぎることがある
叱るというより、怒る。そして反省。その繰り返し。

同様の悩みを抱える母親たちが雑誌に寄せた投書を基に構成された本。

レビューより。
「時間的にも精神的にも追い詰められているのに、育児の負担や悩みを夫と共有できないのが大きな原因だ。子育ての責任などに一人苦しむ妻たちの実態が浮かびあがる。夫との関係を再構築するための専門家のアドバイスや、つらい時期を乗り越えた経験者の話も収録。育児だけでなく、夫婦のあり方を考えるうえでも参考になる。」

コドモは男女で授かったモノ。
育児も二人でするのが、スジ。
時間的に、物理的に無理な父親(母親もあるでしょう)がいることはわかります。でも、「参っている妻を精神的に支える」くらいのことは、難しいけれど、簡単なこと。そしてとても重要なこと。

この本を読むと、そういうこと以前(父親の自覚がないとか)の夫もいますが、いっちばん、大切で必要なことは、それだと思うのだ。

そしてそれをしようとしない夫。
きちんと伝えようとしない妻。
あきらめちゃった妻。
病んでしまった妻。

妻が病むのはまあいいさ。(よくないけど)
でも、それって母が病むということで、母もだが、コドモが一番かわいそうだ。

そして実際、夫に言えない不満やストレスのはけ口を、弱者のコドモに向けてしまう母。

こころにのこったところ。
「小さいころに喪失体験を多く持つ人に、うつ病になる人が多いというデータがあります。(略)心が傷つきやすくなり、困難をより重く感じ、『生きるって大変』と感じがちになる傾向があるのです。」(P139)

「お母さん自身が自分の親に不満を抱いている場合は、自分もまた子どもに嫌われるのではないかという不安から、自分に完璧を求めすぎてしまうということもあります。いろいろ欠点があるのが人間だ、直す努力をすればいいんだと自然に思えればいいのですが、『欠点も含めて、丸ごと大切にされた』という実感がない人は、『欠点のある自分には価値がない、いないほうがいい』という否定的な考えに傾きがちです」(P139)

これ、先日の日記にもそっくりの箇所、なかったかしら?
まさにわたし、これでした。

今は克服したけれど、頬の傷。欠点。
「で(それがあるからなに)?」という人がいる、と思えなかったか知らなかった特に父親の、「まあ大きくなってから化粧で隠せばいい」は忘れられない。

わたし、隠さなきゃいけないキズものなの…。
傷を気にせずつきあってくれる人たちは皆心やさしく素晴らしい人たちで感謝しなくちゃいけないの…。
傷のこと、心配してくれる両親の愛情、ありがたいって、手術することになった小6だったか当時の部屋の様子もポロポロ泣けたのも鮮明に思い出せる。
きっと、(なんか、ちがうんじゃないの?)と感じてたからだろう。

ちなみに今では目立たなくなって、お肌の手入れでマッサージすると血行がよくなり、「ここが赤くなるってことはそういうことだよね!」と嬉しがって相方に同意を強要する図太さをもつにまでいたりました。(オバサンになっただけ?)

目次です。
Prologue だれだって、やさしくされたいのです
1 叱ってばかりは「夫」が原因?
(子どもは悪くない。わかっているのにやさしくできない
夫への不満を子どもにぶつけてしまう ほか)
2 どうせ聞いてない夫に話したって…(これからも、いろんなことをあきらめていくのかな
夫とわかり合うためには、もっとじたばたして、もっと食い下がってみる ほか)
3 逃げているのは、夫です(夫は、理解しようという気がない
早期に問題に気づいた人には、道を選ぶ余地がある。どの道を選ぶかは、一人ひとりに任されています)
4 今の自分が嫌。やさしいママに戻りたい(「うつ病」「パニック障害」と診断されました
まず、子どもに嫌な感情を持つ自分を受け入れることです ほか)
Epilogue 私たちが将来やさしくなれるための訓練なのかもしれません

夫へ。大事な話があるんです―叱ってばかりの私〈2〉

『叱ってばかりの私―子どもはかわいい。でも…』
ここにも苦しい思いの母がいる。



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2004年05月24日(月) 竹脇 無我 (著), 上島 国利監修『凄絶な生還、うつ病になってよかった』★★★☆☆

凄絶な生還、うつ病になってよかった
凄絶な生還、うつ病になってよかった
竹脇 無我 上島 国利
マキノ出版 (2003/07)

副題は『父子二代にわたる”死の衝動”に克った僕』。

あまりテレビをみない私は、竹脇 無我さんを「んー名前は聞いたことあるかも」くらいしか知りませんでした。

レビューは『父の自殺、次兄の夭折、長兄の失明、自身の離婚…。頭の中が「死にたい衝動」で埋め尽くされる-。うつ病地獄に落ちた著者が「また芝居がしたい」と再生するまでを綴った闘病手記。うつ病を正しく知る参考にもなる書。』

心に残ったところ。
「きっと世の中には、いまもそう思って苦しみながら仕事を続けているうつ病患者が、数えきれない程いるのだろう。(略)同じ苦痛を乗り越えてきた者として、その人たちにいいたい。『いまは、ゆっくり休んだ方がいいよ。それは無責任な態度ではなく、逆に病気をきちんと治そうとする責任ある態度なんだよ』と。」(P28)

「うつ病は、いろいろな面でその人のキャパシティーを超えたとき、起こる病気ではないかという気がする。」(P70)

「入院して、実際にそういう人たちと会ったとき、僕は心から治りたいと思った。
治りさえすれば、こんな僕でも、きっと誰かを元気づけることができる。仕事を通して夢を与えられる。自分が元気にならなければ何もできないと気づいたのだ。(略)そんなふうに考えられるようになったら、うつ病のトンネルの出口は、ぐんと近づくのではないだろうか」(p110-111)

「僕が思うに、うつ病から抜け出すのになくてならないものが四つある。一に休養、二に薬の助け、三に治したいという自分の気持ち、そしてもう一つは、周囲の人の支えだ。」(P120)

「うつ病のさなかにいるときは、そんなことはまったくわからない。真っ暗な闇の中にいるようで、ひたすら孤独だ。だが、回復して振り返ってみると、たくさんの人が自分を心配して、気にかけてくれていたことに気づく。」(P120)

「うつ病のとき、仕事等の責任を果たせていないことは、自分がいちばんよく知っている。わかっていて動けないからよけい落ち込むのだ。だから、そっと見守ってくれるのが何よりもありがたい。」(P123)

「誰もが散髪に行くように、気らくに心療内科や精神科に行けるようになればいい。そうしたら、早い時期に専門医にかかって、効果的な治療が受けられる。うつ病で、長い間つらい思いをする人や、最悪の事態である自殺という道を選ぶ人も大幅に減るだろう。」(P139)

「もう一つ、僕の経験では、周囲の人にうつ病であることを隠しておくのは、絶対によくない。(略)
うつ病のときは、ふだんどおりの仕事なんてとうていできない。そんなとき、病気のことを隠していると、『手を抜いていると思われるんじゃいか』『なんてダメなやつだと思われてしまう』というような考えにとりつかれて、よけいにひどく消耗してしまう』」(P139-140)


ほんとにその通りだと思う。
私、周囲にかなりうちあけまくりました。難しい言葉をやっとの思いでかけてくれた人や見守ってくれた人や手紙をくれた方や昨日も「こども110番」のおばさまに「あなたはひとりしかいないんだから」なんて言葉かけてもらって励ましてもらい(彼女はそれにしてもプロだな。浜松いのちの電話のおばちゃんとはずいぶんな違いだ←未だに怒っている)、感謝しなくては。

死にさえしなければ、うつ病は絶対に治る。
うつ病になることで、見えた世界がある。
国はうつ病患者の援助を。

だから、著者は「うつ病になってよかった」とまでいえるんだ。

私の身近にも(昨日コドモの延長保育を担当してくださってるおばさま)経験者がいて、弥勒菩薩像みたいな雰囲気をかもしだしてはる。
それで、優しい言葉をかけてくださる。

泣けてきちゃった。

そーだね。私は一人しかいないし、このまま薄くなって消えてしまえたらいいなーなんて思ったりもするけど、悲しむ人が、30人くらいはいるよね。
悲しませたくない人は、もうすこしいるかな。
治そう。
昼の薬まだだったから今から飲みます。

私もいつか、「えっあのにこやかな方がそんなご苦労を?信じられない」なんて言われるおばさまに…なれるわけないよなーと書きながら思った。
それでも。
与えられた生ある限り。生きているというそのことが、きっと大切なこと。

凄絶な生還、うつ病になってよかった

同様の本でおすすめなのは、数日前に読んだ、こちら↓の本。
精神科医がうつ病になった体験記。
死にたさと、それが症状であることを頭では理解しつつも苦しむ様子などが、うつ病患者には共感できるのではないでしょうか。
泉 基樹 (著)精神科医がうつ病になった―ある精神科医のうつ病体験記



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