忘年会

職場の忘年会だった。

まさに年を忘れる会。恨み辛みを忘れてフレッシュな気分で来年を迎えようという会だ。

行った店は「カニ」「しゃぶしゃぶ」食べ放題の店。

「今日は無礼講だぞ」

という上司の言葉を信じて、本当に無礼講に振舞った。
上司が鍋の中で育てていた渾身の肉を横取りした時、
物凄い表情で睨まれた。

全然無礼講じゃない。

たぶん上司は、あの肉の恨みを来年まで忘れずに抱いているだろう。
それほどの睨みっぷりだった。

全然忘年会じゃない。
2002年12月26日(木)

マニュアル

職場にて、新たに導入された機械のマニュアルを読む。
複雑な機械になればなるほどマニュアルは厚くなる。
このマニュアルの厚さは辞書ぐらい。
全く読む気にならない。意味が分からない。

それでも上司に命令されて嫌々読むなければならない。

皆が分かりやすいように簡易マニュアルを作れ!

そう言われて、泣き言を言いながら読み始めた。

マニュアルを読みながらマニュアルを作る徒労感。
なんとも表現し難い。
2002年12月25日(水)

イルミネーション

クリスマスイブ。
アメリカナイズされた日本においては、
さまざまな家庭が庭先にイルミネーションを施している。
どうも新興住宅地なんかに多いような気がする。

ツリーをかたどったイルミネーション。
サンタの形をしたイルミネーション。
星のような形をしたロマンティックなものまで。

夜の闇の中で光り輝くイルミネーション。
すごくクリスマス気分を盛り上げてくれる。

そんな中、ある家庭のイルミネーションが目にとまる。

「2003」

とデカデカと書かれたイルミネーションが瞬いている。

いや、それクリスマスじゃないやん。
正月やん。

漠然とやるせない気持ちになった。
2002年12月24日(火)

タバコ

部屋でテレビを見ながらタバコを吸う。
灰皿にタバコを放置し、しばし作業をする。

そして、またタバコに火をつける。
見ると灰皿には火のついた二本のタバコが。

さっきまでタバコを吸っていたのを忘れて
また新たなタバコに火をつけた自分の愚かさよ。

絹のような白い筋を上げて燃え盛る二本のタバコたち。
それを見てふと思った。

タバコが二本。
鼻の穴が二つ。

なんだか無性に、鼻からタバコを吸ってみたくなった。
湧き上がる衝動を抑えられない自分がいた。

そっと二本のタバコを手にし、
鼻の中に注意深く押し込める。
両の鼻から伸びる二本のタバコ。
オーダーメイドかと思うほどにジャストフィット。
そして一気に吸い込む。




死ぬかと思った。
2002年12月23日(月)

マンガ喫茶再び

休日ということで、またもやマンガ喫茶に行ってきた。
何も予定がない週末はマンガ喫茶に限る。

ちゃちな壁で仕切られた個人スペース
フカフカのリクライニングシート
温かい飲み物飲み放題
面白いマンガも読み放題
暖房だって効いていて温かい。

何よりも、一人ぼっちで週末を過ごしている人間が数多くいる。
独りなのは自分だけじゃないって心強くなれる。
なんて居心地が良いのだろうか、マンガ喫茶ってやつは。

などと、完全にリラックスしてたら、
リクライニングシートで熟睡してしまった。
マンガも読みかけで熟睡。

時間だけが過ぎる。

目が覚めてチャックアウトしたら4000円ぐらい請求された
漠然と納得がいかない。
もう二度と行かない
2002年12月22日(日)

語彙

仕事で取引先なんかに手紙を書いていると
自分の語彙の貧困さを呪う。

自分はどうしてこんなにも言葉を知らないんだろう、
使える言葉がなんて少ないんだろう。

知ってはいるけど、意味を正確に知らない言葉も沢山ある。
友人相手に軽やかに手紙を書くときなんかは気にならないが、
取引先ともなれば話は別。

間違った使い方をしてないか。失礼になってないか。
真剣に職場備え付けの国語辞典に目を通し、手紙を書く。
一文書いては国語辞典。
また一文書いては国語辞典。
全然仕事にならない。書くのが遅すぎる。

そんな折、パラパラとその国語辞典をめくっていると、

ちぶさ「乳房」−哺乳類雌の胸・腹の左右に膨らむ器官

の部分に見事に蛍光ペンでラインが。

職場の誰かが、こんないかがわしい言葉に蛍光ペンをっっ!!
定規であてたかのような正確に真っ直ぐなラインをっっ!!
今時、小学生でもやらないような行為をっっ!!

いったい誰がと気になって、別の意味で仕事にならなかった。
2002年12月21日(土)

機械

いそいそと自動販売機でジュースを買って、
目的と違う物が出てきた時は切ない気分になる。

コーラを押したのにコーヒーが出てきたり
コーヒーを押したのに暖かいファンタグレープが出てきたりと、

切ないと思うと同時に、なんだか機械にバカにされたように感じてしまう。


今日、外回りの際に、ちょっとだけサボってゲームセンターに行った。
脱衣マージャンをやろうと財布の中を見たが、100円玉がない。

両替機の前に行くが、千円札もない。
仕方なく万札を両替機に入れたその瞬間

ジャラジャラジャラ

メダルゲーム用のコインが1万円分出てきた。

嬉しいやら悲しいやら。いや、嬉しくない。
両替機とコイン販売機を間違えた自分が悪いのだけど
何も一万円分も出てくることないじゃないか。
すごく機械にバカにされた気分。
叩き壊したい気分。

泣きながらビンゴゲームやってました。
2002年12月20日(金)

白壁

職場の入ってるビルの一階。
ものすごく低俗なエレベーターホールがある。

エレベーターを待つ場所の壁に、ありえないほど卑猥な落書きが。
どうやら低俗な輩がここまで入り込んで落書きしているらしく
「SEX」だとか「夜露死苦」とか「俺様参上」などと
スプレーでカオスに落書きされている。

さすがに見るに見兼ねたビルの管理人。
この間の休日を利用して壁の塗り替えをしたようだ。

月曜日。
ビックリするほど白く輝いているエレベーターホールの壁。
ここが綺麗なだけでこうまで印象が変わるものなのかと。
言い換えれば、あの落書きかかなり印象を悪くしていたようだ。
なんにせよ気分が良い。

火曜日。
いきなり、塗り替えたばかりの白壁に
「SEX」と小さくスプレーで書かれたいた。
申し訳なさそうに「SEX」と。
たった一日でもうSEXが刻まれていた。

その執念。そのスピードは驚嘆に値する。

よほどSEXが好きなのか。
よほど白壁が嫌いなのか。
2002年12月18日(水)

原因不明

最近妙に尻が痒い。
尻というよりは尻の穴が痒い。

痒くて痒くて、考えることは尻の穴のことばかり。
耳掻きみたいなもので心行くまで掻きたい衝動に駆られる。
それほどに痒い。

原因は不明。
妙な病気にかかってるのか。
変な虫が住み着いてるのか。
そういう年頃なのか。
全く持って不明。

それでも一つ新発見をした。

あまりに痒くて、我慢できずに掻くのだけど。
さすがにパブリックな場所でお尻を出して掻くわけにも、
パンツに手を突っ込んで掻くわけにもいかないので、
ズボンの上から指を駆使して掻くのだけれども、なんと。

例えズボンの上からでも、
尻の穴を掻けば指は臭くなる。
ズボンを通して臭さが指に伝わる。
物凄い新発見だ。

別に何も得しないけど。
2002年12月17日(火)

またトイレ

職場のトイレは、水が集中してるのですよ。
いや、それだけじゃ意味が分かりませんね。
なんというか、小便器の上部に水を貯めるようなタンクがあって、
そこにたまった水が定期的に各小便器に流れるようになってるんです。
小学校とかの男子便所みたいなものです。

そういった水集中管理システム式の小便器で小便をしていたらですね。

ゴボゴボゴボ

と、この世の終わりのようなサウンドが上部からしてきました。
なにやら、集中管理タンクに水が充填されているみたいです。
水が充填されるのも定期的にですから、
このサウンドが聞けることって滅多にないんですよ。
だから、ちょっとラッキーとか思ってましたら

ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボッ

とか、サウンドがクライマックスをむかえるんですよ。
信じられないぐらい水が暴れまわってる音が。
こりゃあ、溢れるんじゃないか?
と心配してたら、案の定溢れてきました。

小便をしながら、上から水が降ってくる悲しさ。
排出中だから水が降ってきたからといって逃げるわけにも行きません。

一人で泣きました。
まるでレイプされて泣きながらシャワーを浴びる小娘のように。
ずぶ濡れになりながら一人トイレで泣きました。
2002年12月16日(月)

Iremun2 / Ota.P

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