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2004年01月31日(土) 退院しました!

こんばんわ。ゆみなです。
無事に帰還しました。


あゆとるるの日記を読むと、まるで私の入院はネタに行き詰まりを感じ始めてきた『いれぎゅりゃ!』のために
ひとはだ脱ぎに行ったかのようだ。
「笑いのためには命をも惜しまず」を体現したのか?私は。


さて、入院中の出来事はたくさんあったのだが、るるがこれでもかというくらい書いてしまっているので、
今日はるるの知らないことを書こうと思う。
入院ネタでのメーンエベントはやはり手術だろう。
って、やっぱりネタだったのか?しかもエベントか。


私の手術はレーザーメスとかというヤツで子宮の一部を切除する手術だった。
全身麻酔で行われた。最初全身麻酔は怖いなぁ、なんて思っていたのだが今思うとほんと全身で良かったと思う。
もし腰椎麻酔だとしたら話し声は聞こえるわけだから、先生が
「うわっ!」とか「やべっ!」とか「くさっ!」とか、
そんなことを口走ってるのを聞こえてしまった暁にはおそらくショック死していただろう。
ほんと眠ってる間にとっとと終わってくれて良かったと思う。


病室を8時20分に出て、手術室までは点滴をしながらストレッチャーで運ばれた。
ダンナと母と弟が一緒にオペ室まで横に付き添ってくれた。
途中廊下をすれ違う赤の他人のどっかのオヤジが心配そうに私の顔を覗き込んだりしてた。
こういう場合、「やぁ」とか言うのも変だし、ニタッと笑うのも不気味なのでなるべく顔色を変えずにいた。


「なんかドラマで見る光景と同じだなぁ。私、病人みたいだなぁ。」と一人悦に耽っていると、オペ室に到着した。
手術室の前で看護師さんが
「ご家族の方はここまでです。手術が終了するまで待合室でお待ちください。」と言ってるのを聞いて、
ますますドラマだなぁぁ。しかも主役なんだなぁ!と思うと、思わず顔がニヤけただらしない顔になっていた。
万が一手術が失敗したとなると、家族は私のこの「だらしないニヤケタ顔」が生前最後の顔になるのだ。
やっぱりこういう時は少し不安げな顔を作るべきだよなぁ。
でも、あんまり不安じゃないんだよね。それよりも手術室ってどんななってるのかなぁ。麻酔がかかっていく瞬間って
どんな感じなのかなぁ。なんか楽しみだなぁぁ。とワクワクの方が前面に出てしまい、
家族に
「じゃ、ちょっくら行って来るわ!」とここでもピースサインを出した。


手術室に入るとケミストリーの音楽が流れていた。
まさかここでこんな音楽が聴けると思ってなかったので、ちょっとびっくりしたが、どうせだったらミスチルにしてほしかったな。
と思った。
でもケミストリーでもいいや。これがベートーベンの『運命』とか『第九』とかだったら、
お医者さんも気合はいりまくりで切らなくてもいいとこまで
この際だから切っちまうか。なんて気分になられてもやだから、やっぱりそこそこ無難なとこでケミストリーでも、まぁ良しとした。
そんなことを考えてたら意識がなくなっていた。



「ゆみなさん。ゆみなさん。」と呼ばれて目が覚めた。
ボーっとしていたら手術が無事に終わった事を告げられた。
私の第一声は「今、何時ですか?」だった。
今、思うとそんなこと聞いて「だからなんなんだ?」とも思うのだが、なぜか聞いていた。
「9時40分ですよ」と看護師さんが教えてくれた。
まだその時点では意識も朦朧としていたので、どこをどうやって来たのかわからないけど次に気がついたら病室だった。
目が覚めると、ダンナと母と弟がいた。
ダンナが
「よく頑張ったな」と言ってくれて、母も弟もニコニコしていたので、この時初めて
「ああ、終わったんだ」と安堵した。


手術が終わって、私がまだ回復室にいる時に、先生は切除した肉片を家族に見せながら今回の手術についての説明をしていたそうだ。
「どんなんだった?」と私が聞くと、
ダンナは「ナマコみたいだった」といい、
母は「よく一個入りの梅干しが売ってるでしょ?ああいうケースに入れられてたよ。」と言った。
「一個いりの梅干し」ってやつを私はあんまり見たことないので想像つかなかったが、
母が言うには「よく売ってる」らしい。
第一、その感想は切除した肉片の感想ではなく、入れ物の説明ではないか。とも思ったが、
「そかそか」と頷いた。
写真撮っててほしかったな。とダンナに言うと
「あんなもん見るもんじゃないっ!」と苦々しい顔をしながら一蹴された。
あんなもんって・・・あーた・・・・。
それも、そんなに嫌そうな顔しなくても・・・。


それから6時間はずっと酸素マスクをつけたままで、その間にるるがお見舞いに来た。
るるの顔を見た時、なんでか分からないけど涙が零れそうになった。
「良く頑張ったね」と言ってくれたので、また泣きそうになった。
そして、るるは「お腹すいたからパンを買ってくる」と言い出し、売店へと走り、パンを買ってきた。しかも二個。
それを酸素マスクでやっとの思いで呼吸してる私の枕元でムシャムシャ食べ始めた。
また涙が出そうになった。


マスクは午後3時に外れたのだが、導尿管と点滴は翌日の朝まで付けっぱなしだ。
まったく起き上がることもできず、腰が痛くなったし、なにより自分でおしっこができないってことがこんなに辛いものだと思わなかった。
翌朝、尿管を外してもらい、初めて看護師さんにトイレまで着いて来てもらって自分の力でおしっこをした時の爽快感といったら言葉で言い尽くせないほどだ。
たかだかおしっこなのに、こんなに幸せだと思えるなんて。


手術で切除した肉片を病理に出したので、その検査結果次第ではまた次の治療に入るかもしれない。
だが、たとえそうであったとしても命に関わる事ではない。
お医者さんが、何度も言ってくれたように
この段階で見つかったことは本当にラッキーだった。


なんとなく、あらゆるものに感謝したい。





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