風も雨も追い立てるように吼えるので夜の闇がますます濃くなった
ひとりづつさみしい春風の 夕暮れ
月はどこに行ったのかしらまだ咲かない細い木の枝の先
風に乗るように鳥は空を泳ぐ若葉は 若芽は落ちないかしら軒下にもう つばめがやってきていた
知らない国の地図を描いて雲が流れてゆく風はずっと吹いている
花も木も少ない街なので花屋さんの前で足を止める
さみしい月ひとり中天雲の中