恋文
DiaryINDEX|past|will
雨のなかに 歩みだす
風もいっしょに ついてくる
街灯のひかりが きらきら煙って
堤防の ここから 先まで
歩いてみましょうか
波が 寄せては ゆき
空は どんな色だったかしら
風は 冷たかったかしら
真っ青な空に 白い月 ぼんやりとして
冷たい空気
洗剤から 湧き上がった泡が
目の前で 消えた
雨の日の午後 台所は もう 暗い
水溜りをよけて 蛇行する
足元からも 湿ってゆく
傘のなか
忘れていたみたいに ぽつん ぽつんと 花が咲いている
さつきの植え込みに 雨がふりそそぐ
風が いきなり 吹きすさんだ
けれど 水の匂いがして 和らいだ
|