髪を梳くはりはりと小さな音冬支度
味気ない一日を終わらせる夢に戻るために
なんにも変わったことはない杉林の匂いのなかで息をする
雨にかすんで影になって誰でもないわたしになっていよう
一日を 過ごし終わろうとするそれだけの一日
生きている世界生きてゆく世界行く先はときどき 霞む足元も薄暗がりのおぼろげなわたしたちの世界
ありありと感じる夜の冷気思い出の中に