恋文
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思い出のなかに 入っているうちに
逃れられなくなる 風の冷たさ
そこは いつもわたしの 変わらない場所
また 帰ってきたよ
すずめの群れが 飛び交う
川面が光る 午後
刈り取りの 真っ最中の田に
彼岸花の群れ
小さな 幸せ 小さな 不安
風の匂いがするよ
わたしを 包んでね
足踏みを している間に
どこにも 行けない
もう一歩は 長い一歩
知らない間に 日が落ちている
人通りも 広告塔の明かりも よそよそしい
風に追われて 家に帰る
窓の外は いつも どこかの世界
ひそかに 音を集める わたしの耳
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