街路樹の茂みからわずかに聞こえてくる小鳥の囀りみんな眠りにつく
日の傾きと風の匂い記憶とまた出逢う彼岸花の色
風の中に立つ山稜は黒い影消えかかった朱色の縁取り
彼岸花立ちすくむ倒れた稲の波風の寒さ
ただの一日たった一日わたしの一日もうすぐ終わるよ
小鳥たちは眠れているだろうかいつも 囀りかびすしい 木立風の吼えるばかり
ここではない場所を思うどこでもないいくつもの路地を見ながら立ち止まる