恋文
DiaryINDEX|past|will
洗ったばかりの ボウルの縁を 這ってゆくのは
なんの虫だろうと 見つめる
それは 水玉だと知る
するすると 消えてゆく
本当ではないと 知っているから
それでも みんな 受け入れて
ずっと 信じていたい
誰かが 言っていた
馬が走るように 川の背が白い
群れから はぐれた 馬たちも
くるくる 回っている
まだ 夏草の道 とげの葉や枝が 腕や 脚を打つ
まぶしい 緑色の道 夏を とどめている
日差しは 思いのほか きびしい
風は 冷たい
みんな はっきりとしている
雨を 運んでくる 灰緑色の流れ
風のなかで 聞いている
濁ったまま 流れてゆく
向こう岸を 見ながら
立ちすくんでいる 曇り空
|