恋文
DiaryINDEX|past|will
外に 一歩 踏み出す
顔に突き当たるように やってきたのは 風ではなく
青いような 花の香り
暖かさが 戻ってきて
いつでも 降り出しそうな 雲の色は
そのまま 町の色のように なる
風が しぶきのような 雨粒を 乗せてくる
季節が 後戻りをする
風のなかに 立っているあいだ
わたしは 魚なのに 海が 怖い
怖いけれど 懐かしい
寂しい気持ちの時には わたしは 海のようになり
漂う 波のあいだ
音や 影や
触れられないものは
いつも いい
こどもたちの 声が消え
雨のおと ばかりになる
今日の 白い帳が おりる
知らないうちに 消えてしまった
すり抜けて 去ってしまった
海に 帰っただろうか
|