恋文
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かつて 確かな どこかに 行こうと 思っただろうか
では どこにでも 漂って
流れてゆくしか ないではないか
空は 灰色のまま
草むらには 霜が まだ白い
この道は どこに 続いているだろう
もう 一年になります この前 切ってから
裸の 背中に ふんわり 触れます
胸にも かかります
耳の後ろで 両側から取って 真ん中で 留めます
残った髪は 背中に
風が 吹いて 流れます
ひかりは 凍ったように くぐもっている
伸びた 木の枝は 触れると 音をたてて 壊れてしまいそう
犬たちは 戯れているけれど
人たちは 身をすくめて 歩いている
どこから始まったとも 言えない
ただ 今も続いている
長いとも 短いとも
どんな尺度でも 言えない
ただ 続いていればいい
風と雨で 木々が揺れる
風のなかで 雨のなかで あなたと 出会っていたとき
思い出して またね という
夢のなかから 流れ出で
影のように 駅に立っている
まだ 始まらない 朝
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