恋文
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いつのまにか 取り残されて しまった ような
夕暮れは 雨の色
風がはこんでくる しぶきが ひたひたと
からだを 濡らしている
しんと静かな 家の中に
ときおり 聞こえてくる
誰もいない 道を
過ぎてゆく 風の音
うちの中から見る 空は 灰色
誰もいない ひとりでいると
うちのなかも 灰色になる
まっすぐに 立っている 木々を 見ながら 通り過ぎてゆきましょう
鳥の声は あちらからも こちらからも 聞こえています
寒いとは 思いません
一歩一歩 わたしが歩いています
しかたがない と 思いますが わたしは ひとつの 性です
鏡に 映して もうひとつの 性に なりたいと思います
ときどき 入り混じって しまいます
鏡のなかにも また もう一人の わたしが ありました
また その夢を見る
一歩のために 足を あげるのが 重い
もう 脚から くずれて
しまいそうに なりながら
歩いている
いつも どこかに
行かないと
いけないのだ と
そのとき どこか わたしの 真ん中に 沈んでいる
じぶんを 取り返したように おもった
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