恋文
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からだに しみこむように 風が吹く
わたしのいない町にも 風は吹いているだろう
ここから 繋がってゆかない その風を 想う
いつしか空は 暗くなり
風が木の枝を 揺らす
咲いたばかりの花が ふるえる
誰が 知るわけでもない わたしを
わたしが 抱いていたい わたしを
かりかりと 引っかくように
呼び覚ましながら
知らないところにいる わたしは
いまここにいる わたしに なりたい
わたしが いなくても
おなじ
毎日が くるよね
立ち止まって 振り返るのは
たどってきた 道すがら
ここにはないものばかり
春を前に 別れを告げた
春から たくさんの いのちが 始まるというのに
ふりかえり ふりかえり
春よりも前に 帰りたい
朝 景色の色がはっきりとして 鳥の声を 聞く
影だけが 立っていた 季節がおわり
まだ ここに とどまっている
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