恋文
DiaryINDEX|past|will
わたしは オプティミストではない
必ず 犠牲があり 悲しみが あることを 知っている
それでも やっぱり 痛みは
痛いのだ
眠っているあいだ 忘れてしまいたい
そんな 痛みは
抱いたまま わたしの からだの
一部になってしまう
裸になった 細い枝ばかりの 木々のあいだから 見える 水鳥たちが 漂っている
硬いパンを 砕いては ほうりなげる 水面に さざなみのような もっと ちいさな 波が おこる
子供達は 鳥たちが 好きだけれど
帰ってきた そのあと
きみは うさぎを 抱いていて なんだか 満ち足りて いるではないか
午後のひかりが ゆっくりと 冷たくなってゆく
傷ついて たやすく 忘れてゆくだろう
忘れなくて とどめて
残っていたら
わたしのもの
すこしづつ 擦り切れて いるのだろう
気づいたとき なにが 残っているだろう
わたしを 思い出すとき 影のようだと 言った ひとがいた
それから 時が ずいぶんたって
わたしにも いつか たくさんの 影のようなひとたちが いるのだ
影同士は きっと すれ違うこともないのだろう
まだ 始まらないことも 始まるだろう
ばらの花が いっぱいに 開いている
手探りで 求めても なにも 触れない
まだ 目を とじたまま 立ち止まっている
|