恋文
DiaryINDEX|past|will
午後だけれど まだ 霜が真っ白でした
すれ違っても みんな 無言で 歩いてゆきました
湿った 落ち葉を 踏んで
傾いた 光を 見ていました
まっすぐ 向こうに まだ みどり色の 丘です
そういえば 見慣れた 海が もう 見えないのだ
思い出す その ときどきの
すぐそばに あったのに
からだが 裏切っているのか 気持ちが 裏切っているのか
裏切るのも 裏切られるのも わたし自身なのだ と
なにを 言ってみても せんないこと
あたふたと 日常に 戻ってゆく
ふとんの中の じぶんの かたちに あたたまっている
いつのまにか こんなに 暗かったなんて
きょうは 星もない空で
窓のあかりだけ 町を 照らしている
お祭りが終わって まだ 片付けの途中の広場は もとどおりの静けさに もどってしまう 石畳の通りも 人影がまばらになって 夜更けのように
間違いと気づくのが 遅すぎたのかもしれないし
それほど 間違いではなかったのかもしれない
ただ いまだに 抜けない棘のようにとどまっている
幻を見るように 垣間見る わたしのすがた
|