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きんもくせいの香りを おもう
思い出のなかにしかない いま
いちにち と いちにちの あいだ
木々のかたちを いろどって
消えさってゆく
霧は 音を吸い込んでしまうのだろうか
夢のなかに 入り込んでしまったような 気がするのは そればかりではない
見るもののかたちが うすれて とけてゆく
忘れてゆく 途中なのか 思い出す 途中なのか それも さだかではない
秋の葉は 雨に濡れている
舗道に 散っても また
けむっている 林のなか
けものたちが 落ち葉を踏むように
町のなかを ひそやかに 歩く
あなたは どこに 隠れてしまったのでしょう
木々は だんだん 葉を落として
影は もっと はっきりと 照らし出されて
どこにも 隠れるところが ないはずなのに
朝の靄のなかから 出てはこないのでしょうか
ここが どこであろう いちにちは あたりまえのように 過ぎてゆき
秋の木々は すっかり 黄色や 赤にそまり
舗道も 草地も 散らばった 葉っぱで 覆われて
またも 知る
繰り返す その いちにち
いつに どうにでも 壊れてゆけるかと
できるかもしれない
かんたんに お酒があれば
壊して しまおうかと
思わなくても
いま 酔っ払いは そんなことを 考えている
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