恋文
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なんにもないと いうことは
曇り空と 灰色にけむる森の あいだ
いつか 雨になりそうだ
からっぽの なんにもない時間がいい
たとえば 山道をひたすら登っているときのような
じぶんの 息を 身体の 音として 聴いて
山々の 緑も茶色も赤も わたしのなかの色のように 見ている
騒々しいくらいの 音や 色なのに
からっぽになっている
夜になるには まだ早いけれど
傾いた ひかりに すすきの穂が かがやいていて
かげってゆく ことを考えている
朝には 靄で真っ白になる 丘の上は まだ眠っているみたい
真っ赤な葉が 真っ青な空の下 揺れている 午後までに
まだ しばらく 眠いと 言っている
午後の広場で 立ち止まる
鳩が 水浴びをしている
木陰が こんなに 暗くなって
もうすぐに 傾いてしまうだろう
陽のひかり
赤い葉ばかり 燃えているみたい
あなたと あなたと あなたと
数えられるくらいしか わたしのことを 知っている人はいないの
今日は 秋の空がきれいになりました 中天には、白い月がまんまるでした
みどりと オレンジ 森は ずっと深かった
坂道は まだまだ 続いています ときどき はぁはぁ と息をつきます
霧が晴れたらいいなぁ もう少し行ってもいいよね
わたしだって 違う人になるもん
戸棚から 落ちてきた 小さなお弁当箱
その頃 娘は うさぎになりたかった
お弁当にいれる りんごを切るとき
いつも 皮を耳に残して うさぎのかたち
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