恋文
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暗がりに 帰ろうとする
記憶をたどる
いつか 夏の夜の香り
とつぜんの 風に揺れる 枝から 花心が 落ちてくる
まだ 雨の前に 雨のおとのように
干潟の さかなの ように
少しだけ 泥のなかを 進んでみよう
どこにも 泥しかないから
どうやって 進もうか
息だけは してみよう
落ちた木の実 雨が さらっていった
しずくと いっしょに また 落ちてくる
風が でてきた
空は ミルクのように 重くなってきた
揺れている 木の枝、草
わたしと いっしょ
暮れてしまうまで
あなたの 形見に 触れる と
まだ ここに いられる
曇ったガラスの 向こうは
いつか 梅雨の日 寒かった
同じ空 みたい
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