恋文
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日が暮れる 道は くろく 濡れて
川は 名残の光を かすかに 残し
行きかう ひとびとは 影のよう
闇を映して 凍る
割れた 氷のかけらも そのまま
空が 落ちたように
ふと 気づく
気づかなければ いいのに
こんなに 静か
わたしは いくつもの かけら
あれも これも みんな まちまちな かたちで
わたしなのに しらない かたち
本当は 櫛では ないので
梳くわけでは ないのだが
今夜 櫛のように 髪を 梳いてみた
髪を 留めよう
これは あなたの 櫛であり
わたしの 櫛であり
声を たてても
そのまま 消える
そこかしこ 真っ白に なって
音も 凍っている みたい
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