恋文
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靄に かくれて いた
見えなくても いいと 思った
そのまま わたしのものに しておこう
赤く染まっていた 葉っぱも 半ばも 落ちてしまった
落ち葉を 積もらせて 通りは まっすぐ 伸びている
尖塔の上に わずかに 灰色の空が 見え
黒い 厚い雲が 蓋をするように 覆っている
夜が 降りてきた
突然 雨が降って 風が 雨を散らして 草は ざわざわ流れ
雨のあとの 通りは 静かで
ほとほと 歩くと
風は 思ったよりも 暖かだった
さっきまで 降っていた 雨が やんで
雲のあいだに 銀色の空が 見える
煙突から するすると 煙がのびている
木の燃える においがする
話すことの できないことを 積み重ね
いくつも いくつも
置いてきてしまった どこか
思いもかけず と いうが
思い込みが 違っていた だけだったのだ
それでも ひっかかった 小さなものが はなれない
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