恋文
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少し 目をはなしたら もう 食べちゃったんじゃない
なんだ わたしのぶん 残しておいてよ
いいながら たくさん 食べてくれて
それで よかった
あなたを 迎えるなら
こんな ひかりのなか
いま 雨が あがって
たちあがる
春の いぶきのなか
ふり始めた 雨のなか
いつもの 駅を降りる
知らない町の ように
立ち止まる
その雨を たぐりよせ
花をおもい 香りをおもい
その 記憶のなかに
この空の この木立の その色も
いっしょに おとの中
木の枝が おおきく 揺れている
雲は どんどん ながれてゆく
いつのまにか 窓は
しずくで いっぱいに なっている
朝の あかるい 空のいろ
まだ 夢のなかに いるみたい
ふと たじろぐ
窓の外を だれか
通りすぎると みえて
それは ただ木の枝の
揺れる影
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