恋文
DiaryINDEX|past|will
暗くなってゆく 部屋で
海の底の 砂のように なっている
ひかりが 褪せてゆき わたしも 姿を失ってゆこう
くらい空と 同じ色になり 雲のあいだを 走ってゆこう
とおい あなたの まどろみに 近づけるだろうか
ひかりは ゆるゆると おちてくる
といた髪が うす茶色に 透けている
風がわたると 木洩れ日が 揺れる
風の音と 同じように 雨が 葉を打ち始めた
みどりが かすんでいる
立ちあがる 草のかおりの まんなか
目を閉じて 胸におく 手に
ふれる 小さな尖り
とどかない その わたし そのまま
こどもが 指を吸うように
いつか いじっている
背中のうしろで 結ぶ 手と手
(笑えない駄洒落ほど惨めなものはないが)
航海は 後悔に似ている
生れ落ちてから 船が進み始めるなら 最後の港に たどりつくまでの 航海のあいだ
後悔も いつも一緒にいる
それが時に 羅針盤になる
|