恋文
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すずめが けんかをしている
ちいさな すずめは 組み敷かれて しきりに つつかれている
ひとが 近寄って ぱっ と離れてしまった
ちいさな すずめは 軒のはしっこに とまって すこし みづくろいをすると
まわりを 見渡して とんでいった
わたしの かたちに なる
あぁ なんて むずかしい わたしの かたちに なるなんて
わずかな わたしの かたちを かんじると
ただ うれしい
いろんな わたし ひとつに なれない わたし
ただ ひとりの わたし なのに
カラスが 見ている どんな 風景
線路のあいだの みどりの 草地を
こちらを 向いてから はねていった
綿毛は とばなかった
たんぽぽは 刈り取られて
短い みどりが 濡れている
だれも いない 鳥も どこに いったのだろう
雨音を 聞いている
ライラックの かげから 飛び出してきた 鳥は なにかを くわえている
雨音は 音がしない
だれかと すれ違う そのときですら もう 世界に 音はしないみたいに
わたしを 透かして わたしの 向こう
知っているのに 知らないふりをして
黙って なにを見ていよう
庭には 鳥がきて なにか 啄ばんでいる
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