恋文
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戻れない としても 思わずには いられない
ただ 歩きつづける その道が
まだ 来た道から
繋がって いると
わたしが いびつなのは 知っている
誰が 歪めたのでもなく いつからか ただ おのずから 傾いでいった
この世の もののひとつ
記憶を探らなくても いくつも よみがえる その情景
どこのまちでも いつも出会えた
いま 小さな はなが 風にゆれる 一本の木に
木蓮のはなびらが おおきく ひらいて 落ちる
れんぎょうも 桜も しずかに 散る
ぼんやりと 暖かい その日も
きりきりと 寒い その日も
雨が降っている
そう 思ったら 寂しくなった
まだ 明けない 暗闇の中で
あなたに 寄り添って 脚を からめてみたり 腕の下に はいってみたり
まぁるくなる わたし
くるん って 小さくなって
それが わたし
あなたが 暗い闇の底に いる あいだ 闇をくるむ 衣に なりたい
暗くても 暖かいように 包んでいたい
あなたが 帰ってくる その日を ここで 待っている
そのために
なにも 語らないから
春の いちにち もう 終わろうとしている
あなたのところに 沈んでいる
あした そっと 拾って
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