恋文
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ひとこと ふたこと それが嬉しかったから もっと話そうよ
言葉の まだなかった あなたを 昔は抱いて 話しかけていたのだった
台所に並んで いま 隣にいる あなたが 問いかけてくることが 素直に 嬉しい
ほんの少し 近づくだけでいい 見えていなかった わたしも あなたもいた
ひとりで眠った 幾夜も
今ほど孤独では なかった
同じ褥に眠る あなたの息を 聞いている
わずかな時であっても 満ち足りたなら それを 覚えている また 戻ってこられる
いつからか ないものを欲しがるように なってしまったとしても
生涯を誓うなどと それがほんとうの意味で 出来たかと 自身に問うと 心許ないのだった
目に見え 触れることのできる この場所にいる あなたに わたしは ほんとうに 近かったのだろうか
思い出す限りの いくつもの それぞれの瞬間に そんなにも わたしたちは 一緒にいて
お互いに ここにいるだけの 今も まだ きしむような 痛みが 通りぬける
くすんだ空の下 草はうなだれて まだ残った花も まばらに 色褪せる
風は冷たく 遠くに見える丘には 雲の切れ目から 光があたる
思い出す 同じような風景の中に いつかいた わたしも
わたし ピンク 暖かな赤い色 と あいだの色
あぁ、嫌いな人は 遠くに行ってくださいな
わたしは あなただけ 待ってるから
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