恋文
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なんにもしない どこにもいかない
ひたひた うろうろ 歩いているだけ
でも ここにいる
ぽつりと そこに いた こんなにも おおぜいの ひとがいるのに
とおくの もりに そこにだけ ひかりが さしている そこに ゆきたいと おもった
そうしたら わたしも ひかりの なかに いるかしら
取りかえしがつかない ことを 気に病んでも しかたない けれど
あのときに
だれも のぞまなかったのに
あれも これもと 考え始めると どこまでも とまらなく なってしまう
あれから ずっと まだつながっている おもりのように
もうすぐ暮れる 窓から透かしてみえる 風景は きっと 水槽のなかから見るように たわんでいて 誰かが行きすぎると ちらちらと 揺れるのだった
ただよっている わたしは さかなのように ふわりと 身をかえしてしまおう
枯草の匂いがする 湿った風 あしたは 雨になるだろう
まだ暗い明け方の ベッドの上で きっと雨の音を 聞いている
とおい海に いるように 雨の中に うかんでいるだろう
かくれんぼの鬼は どこにいったのかしら
みどりの野原に くもが翳る
木立のあいだにも 光がきえる
わたしを探して どこかに行った
わたしはいまも まっている
背中に 胸に落ちる 髪を 感じる
もう一人のわたしの からだになれそうなのに
いつも ずっと遠かった
ふくらみかかった 胸も それは まぼろしで
小さくとがった 乳首だけ シャツから浮き出ていた
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