恋文
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緑は 枯れていって 雨を待つまでもなく 枯れていって
明るい陽射しに 晒されているのね
金色の野原なのね
ひとしずく ふたしずく 欲しかった いっぱい 欲しかった あの雨
風に揺れるよ こんなに金色に
毎日 少しづつ 得たりすることは 嬉しい
そうして 少なからず 失ったりもする
失うことは いつも悲しいのだけれど 時々 それが嬉しかったりする
公園は 水銀灯の光が照らしていた 草むらは まるで 作り物のような緑色だった
暗いブランコを揺らして 大きく揺れた瞬間に 靴を抛る 子供に帰って遊んだ あの夜
靴を拾いに おぶったあなたが 背中に暖かかった
君が弾いていた曲は わたしを思い出に導いてくれた
同じ曲を わたしはフルートで練習したのだった
だから 君が フルートに興味をもってくれたのが 嬉しかった
練習用に横笛を渡して 君は音をだそうとしている
その不安定な音を 心地よく聴いている
突然に葉を打ち始めた その音の前に 確かに感じていた
古い校舎に向っていた あの時と同じように
その一瞬に 還れたように まだ 繋がっていられる
今 ここに聞いている 雨音が届くようにと
やがて雨があがる 陽射しのなかに 輝く草むらや 木々や 見えるものが届くようにと
そこに いなかったけれど あなたが思い描いた わたしを 本当のわたしにしてしまおう
あなたが わたしの聞くものを聞き わたしの見るものを見ることが できるように
思い出になんかに しない
そのとき わたしたちがいた
今も そのままじゃないの
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