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むきだしの 自分の肩を見た
暗い部屋に 小さな灯り
腕も うんと細くなってしまった
床の影だけは ぼんやりと ふくらんで見えた
穏やかに過ぎれば いい 期待や 喜びがあれば嬉しい 不安や 失望も 少しくらい あってもいい
雨が降ったら 少し 濡れてみよう
怖い夢に目覚めると 汗ばんだ肌が冷たい
暗い部屋のなかに 何か潜んでいるようで じっと目を閉じている
毛布の下で 身体をゆっくり伸ばす
落ちついて それは夢だったんだから
雨が連れてきた 冷たい風と一緒に歩く
どこにいていいのか わからなくなる
足音が石畳に響いて そこにだけいる
わたしの中の わたしなのに
とても注意深く わたしを わたしから 測る
この距離は どこからくるのか どんなに 離れているのか
いつも わからない それでも わたしは わたしでいたい
あまりにも明るい 光の中で あからさまな わたしだったから
目を伏せた
でも それがわたしだから じっと自分を見た
ずっとわたしだった いびつになっても わたしなのね
どうして 突然 夢に見たのだろう
海に向って歩いていた 繋いだ手は 湿っていて 通りは乾いていた
雨に晒された船が 並んでいて そこを過ぎて 堤防の切れ目を入ると 小さな港だった
その人と過ごした 最後の夏だった
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