恋文
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空は 名残の青さを残している
辛夷は まだ白いままだろうか 連翹は まだ鮮やかに黄色いだろうか
野の草花は 静かにその色を 夜に溶かしてゆくだろう
木々は もうシルエットになってしまった
わずかに残っていた日差しの暖かさも もう消えてしまう
思い出す その時 雨の暗い空の下でも れんぎょうはこがね色で 若葉はやわらかだった
一枝のれんぎょうをたずさえて トラムに乗ってきた人の そこも ほんのりと明るかった
あそこに見えるのは 桜ではない
それでも 青い空の下に 靄のように 色づいている
いつでも 気持ちは そこにあったように
なんかいもの春を また 過ごす
わたしの半分は わたしの性ではない
だけど それもわたしなの
好きなひとには みんな あずけてしまいたい
男だとか 女だとか 気にしないでくださいな
あなたが 好きなわたし それでいいでしょう?
真っすぐ 伸ばしているね 木々 枝の先には 空が 広がっているね
あなたの後ろを 歩いているのが よかった
あなたは いつも わたしのものだった
別れ際の キスが 好きだった
いつも 好きだと いう わたしも 好きだった
ひそかに 思い出をあけてみた
そのときの 思いは まだ そのままだった
きっと あなたも わたしも そんなに かわっていないんだろう
だけど もう いっかい さよなら を言って
そうして また あなたに会いに行こう
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