恋文
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2004年03月19日(金) 苦手

わたしは 旅が苦手なのだ

遠くへ ゆくことよりも
近くにいたい

知らないところに ゆくよりも
ずっととどまっていたい

なのに どうして
わたしは ここにいるのかしら

もう わたしの居場所が
わからなくなってしまうよ


2004年03月18日(木) 突然

いつか季節が変わってしまう
静かに移ってきたはずなのに
それと感じるのは
突然だった

季節ほどに
時間ほどに
人は変わってゆけないのだろう


2004年03月17日(水) 眠っていたかった

目覚めたくなかった

夢を 見ていた

わたしが ただの
わたしだった

泣きたい気持ちだったのに

そのままでいたかった


2004年03月16日(火) とどめる

そのとき わたしであったように
いまも わたしでいよう

もう 戻れないその場所は
そのときと同じように
一日は始まり 終り
季節は移るだろう

その時に見ていた花も
頬をかすめた風も
時には身体を湿らせた雨も
そのまま残っているだろう

そのときをとどめたまま
いまのわたしは
やっぱり わたしでいる


2004年03月15日(月) 冬の終わりに

影絵のように
木は まっすぐに立って
枝は縦横に広がっていた

空は 仄かに朱く
飛行機雲が 
一文字に 延びていった


2004年03月14日(日) つかえていたもの

つかえていたものが
すっきりとする

なのに それが
なつかしかったりする


2004年03月13日(土) 何もない

腕をぱたり と落すと
何もない

しばらく髪を 撫ぜている
暗闇

何もないので
ただ 眼を閉じていた

暗闇すら
なかった


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