恋文
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皮膚のしたに 透き通っている 魚の内臓のように 生きている
ぷつりと 突き刺さる それは わたし自身の毒のようだ
離れることで 近づくことができる 距離は気持ちの遠さではない
年を経ることで 近づくことができる 年月が引き離すこともない
遠くは離れたあなたと ふれあっている
静かに近づいてくる
寒さにかじかんでいた たよりない わたしの心も あなたの声で 目が覚めたようだ
澱のように よどんでしまった それは 行きどころがない
ただ一言が こんなにも惨めな気持ちにさせる
暗闇のなかで 沈んだように 丸まっている
胸にかかろうとする その重さ 背中に感じる 湿ったいく筋もの小さな束
緩やかな曲線を描いて 落ちる
この髪を梳いてくれる その手を おもった
そういう性でありたかった なんて
いずれ わたしの身体は 崩れてしまうのか 焼かれてしまうのか
いずれ 失うものだけれど
ただ 産む ということに 関していえば
わたしは あらかじめ 失われていた
産むのなんか いやだ なんにも 産まないよ
産めないもん
ぜったい 産んでやらない
奈落の底に 落ちてゆくような
めまいも 嫌いじゃない
暗い底に ほんのりと
受けとめてもらえそうな 予感がする
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