恋文
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小さな粒で できている 真っ暗やみ
覚める前には まぶたのうらに重たいよ
今朝は 飛ぶ夢をみたけれど いまにも落ちてしまいそうだった
あぁ この落ちる感覚が 好きだった
暗闇に まっさかさまに 落ちてゆく
もうすぐ わたしも 夜になる
トラムのなかに ぽつんと座って 遠くの空に伸びて行く 白い雲を見ている
どこに帰るのか 帰っても そこにないかもしれない
閉じたブラインドを通して 光は柔らかかった
遠くのほうから聞こえる 鐘の音も夢うつつのようだ
まっすぐ見つめるよりも 心地よいのかもしれない
崩れそうになりながら いつかもとに戻る
振り上げた腕は 真っ直ぐおりることはなかった
そうして 別のバランスが 狂う
いけないと思うから とらわれてしまうのかしら
とつぜんのめまいのように それは わたしのなかに 生まれた
まっすぐ前を 見ることができなかった
こんなに鮮やかな 空の下で ひとりだけだった
繋ぎとめようとすると 抗うのだった
繋がれまいと わたしも そうだった
それで いつか 見失ってしまった
ずっと遠くに まだ それでも わたしたちが争っていたら いいのに
芽吹きかけた枝が 白く覆われる
薄暗がりの向こうに 木々も また わたしと同じように 佇んでいる
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