恋文
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ひとりだった
雨はひとりで 降っている 草はひとりで うなだれる
ひとり 浴室にいる 肩を滑り落ちる 髪を 濡らす
その音も ひとりで 流れる
ろくでもない半身は くるりと丸めて 捨ててしまおうか
いつも一緒の わたし自身
どんなにも変われないから ただ あなたの前でいた そのままで いたい
わたしのなかの なかから
装いもなく にじみ出てきた
わたしだったから
風が戻ってきて 窓にはいく筋も 雨が流れる
わたしの姿を いくつにも分ける 流れのまえで
髪をほどく その ひとすじを もてあそんでいる
もう 家が近い
ふと よそよそしい この空気も いつか 馴染むのだろうか
ほんの少し 安心できる時のために ここにいてもいいかしら
その時 楽しいことばかりではなかったのに 懐かしい友人と会う 今日は風すら暖かい
強い風が 雨を運んで わたしは 目を開けられなくなる
剥ぎ取られてゆくのは わたしの記憶でも わたし自身でもない
なのに 髪がざわざわと 顔をかすめると 失ってしまうものを感じている
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