恋文
DiaryINDEX|past|will
少し秋の気配がする夜。 出会いの頃に近づいた。
季節が変るように、 なにひとつ変らないものはないけれど、 あなたに向う気持ちは、 いつもあなたに近づこうとする。
遠くなればなるほど、 もっと近づこうとする。
あなたに出合えてよかった。 そんな、かわらない気持ち。 これからも、そう思えればいい。 どこにいても。
そして、思い出とともに、 色褪せないまま、 わたしと一緒にいる。
毎日出会いと別れがある。 こんにちは、と、 さようなら。 毎日、さようならを言うのなら、 それは、いつものことだ。 特別なことじゃない。
あぁ、そうだ、 またね、と言えばいい。 そうしたら、さようならも、 きっと、寂しくない。
これからが見えないのなら、 今のこのことを記憶に刻んでおこう。 今までのことたちも、 ずっと忘れない。
そうして、まだ、これからも、 たくさんの思い出が作れたらいい。
まるで光に切り取られたような影が、 点々と道に貼りついている、 不思議に静かな昼下がり。
今日、あなたと何を話そうかと考えながら歩いている。
でも、あなたの声を聞くと何も言えなくなる。 まだ暑い夏の日差しと風を感じながら、 あなたの声を聞いている。
とろとろと溶けてしまいそうな午後。
数えれるほどしか会っていないのに、 あなたは、わたしの恋しい人になった。 あなたの言葉のひとつひとつが、 わたしを虜にした。 いえ、わたしたちの会話が、わたしをあなたに導いた。
あなたからだけではなく、 わたしがあなたに、 あなたがわたしに、 言葉を掛け合いながら、 わたしたちの恋は育った。
いままでも、いまも、いまからも、 あなたの声が、 ずっとあったらいい。
想い出は冬に始まる。 雪や風や、優しい季節ではなかったけれど、 あなたといれば暖かくて、 心地がよかった。
ずっと、忘れない。 あの出会いも、 一緒に過ごしたほんの短い時間も、 ずっとずっと、わたしの中にある。
|