恋文
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明るい強い日差しの下で、 切り取られたように、 残される影。 いつもの風景が、 知らない世界のように見える。 まっすぐに延びた道路や、 木漏れ日の映る小道や、 駅やビルの群れも、 みんなどこかよその世界のようだ。
わたしたち二人で行くことができるだろうか。 あなたを待ちながら、想像してみる。 そこに迷い込んだわたしたちを。
静かに一日が終る。 あなたに繋がらない日は、 この世ではないみたいに、 よそよそしい。
だから、息をひそめて待っている。 まだ、もう少し。 あなたに再会するまで。
あなたの旅先を探してみる。 ネットには沢山の写真があって、 あなたがそれを見ているかもしれない。 そんな景色を眺めてみる。
一緒に見てるよ、遠くから。
でも、あなたはきっとべつのものを見るのに忙しいのでしょう。 それは仕方がないことなのだけれど、 少しは思い出してね、わたしのことも。
あなたと会話ができないときは、 言葉にして書いておきます。 あなたが、いつでも読めるように、 いつでも、わたしを見つけられるように。
そうして、かくれんぼうのように、 どこか片隅に隠れていよう。
あなたが、探しにきて、 見つけてくれるのを待ちながら。
あなたが話すことを聞く。 それが心地いい。 どんなことでもいい。 それが、あなたとの共有になること、 それがわたしを幸せにする。
声に身を委ねる。 その声が愛撫のように心に触れる。 声の中にはいってゆく。 このまま、あなたのところに行きたい。
あなたの言葉に触れ、 あなたの言葉に触れられ、 わたしは喜び、また、あなたを思い、 癒される。
あなたが疲れているとき、 あなたがつらいとき、 わたしは慰めになりたい。 わたしの言葉にも、 あなたが触れて、 癒しになればいいのに。
いま、言葉でしか、あなたに触れられない。
いつも、わたしのほうが慰められる。 また、きょうも、あなたからのメールが届き、 きっと、わたしを気遣ってくれてるのだと思う。
ほんとうは、わたしがあなたの慰めになりたい。 いいえ、わたしも、そうなりたい、 ふたりで、お互いが必要なように。
あなたも、泣いてもいいのよ。
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