恋文
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あなたとお話ができない日は、 心静かに過ぎるのを待つ。 声を思い出したり、 姿を思い描いたり、 わたしだけのあなたがそこにいる。
不安になったりなんかしない。
言葉は言霊。 毎日紡ぐこの言葉が、あなたに届くように。
触れることはない、 聞くことはない。 触れられることも、 聞いてもらえることもない。 そんなに隔たっていても、 わたしの言葉は、あなたに届くかしら。
それを信じて、今日も恋文を書いている。
また、繰り返しの日々にもどる。 潮の満ち干のような。
たゆたう波に揺られるように、 あなたの声を聞き、 わたしの声を投げかける。
また、次にあなたに会うまでの、 こんな平和な日々。
ときに、嵐のように不安な日があったとしても、 きっと、あなたに会える日を、 いつも思い描いている。
昨日は終わってしまったのに、 まだ余韻に浸っている。 あなたが触れてくれたところ、 あなたが話していた言葉、 すべてが愛しく想いだされる。
それは、幾日もたっても、 色褪せることなく、 わたしとともにあるだろう。
大切な思い出が、またひとつ増えた。
あなたが目の前にいた。 身体中が嬉しいと言っていた。
あなたの声がして、そちらを見ると、 あなたがいる。 声が、肌をなぜるように過ぎる。 あなたがそこにいて、 わたしを見てくれる。 眼差しが、わたしの中に沁みる。
ほんの短い間に、 また、もう一度、あなたの虜になった。 いつでも、いつまでも、 こんな気持ちでいたい。
あなたが、辛いという。 わたしも、つらい。 あなたが、苦しいという。 わたしも、苦しい。
今のあなたに会いに行きたい。 少しの間でも、一緒にいたい。 あなたの慰めになるのなら。
そして、それは同じように、わたしへの慰め。
会社のビルの窓から、あなたの方角を見る。 雲が幾重にもかかり、夕日が赤く滲んでいる。
あなたが、あの向こうにいる。 目の下に広がるビルの群たち。 みんな乗り越えて、わたしの気持ちは飛んでいけばいい。
想いを妨げるものはない。 ここで、いまも想っているよ。
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