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あなたとの会話を終えて、家に向う階段を上る。 暖かな暗闇が、わたしたちの言葉を飲みこんでしまった。 でも、それは必ずあなたに伝わったこと。 わたしの中に満ちていたもの。
階段の上では家族が待っている。 そこは、わたしの確かな生活の一部。
そして、あなたも、 わたしの、 かけがえのない人よ。
いま、わたしが想っているのは一人だけよ、というと、 あなたは、照れている。 そして、わたしも幸せに笑う。 こんなことが、いつまでも続けばいい。
いつも、いつでも、 あなたが離れた場所にいても、 わたしはあなたを想うことができる。
あなたが冗談に、わたしという虫が、いつもあなたの頭のなかにいるという。 そして、ときどき動くのだと。
虫でもいいから、あなたのなかに住んでみたい。 あなたの頭のなかでなら、 おなたと同じものを見て、 同じものを聞き、 同じことを感じるだろう。 まるで、わたしがあなたの一部のように。
あなたの声を聞いて、今日も一日が始まる。 いつの頃からか、そんな風になった。
声を聞けない日は、 ただその一日が終わり、 翌朝になるのを待っている。
そんな繰り返しの日々。 それは、もう失いたくない、 わたしのものになった。
本当は今日、会いに行きたかったんだけど。 やっぱり、だめでしたね。
毎年、七夕は雨が降っているような気がして、 今年も心配してたけれど、 今年は、織女は牽牛に会えたみたいね。
彼女達に祝福を。
それから、わたしたちも、きっと。
あなたが返事をしてくれるのを待っている。 メールで投げかける、わたしの言葉。 いつ返ってくるのか、その、期待と不安。 きっと返ってくるに違いない言葉を心待ちにする。 それを、しあわせという。
あなたと知り合えて、 待つこともしあわせだと知った。
ひとりで静かに歩く夜。
黙って歩いている。 あなたの声がない夜。
不意にかおる百合の匂い。 その匂いに我にかえる。
ずっと、あなたのことを考えていた。
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