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| 2002年07月04日(木) |
あなたにつながっている夜 |
今日のような濃密な夜の片隅で、 あなたと語りあう、 声を潜めて。
あなたは、まだ遠くにいて、 見つめることもできない、 触れることもできない。
ただ、あなたの声を聞きながら、 体温のように暖かく湿った、 この夜を感じている。
あなたにつながっている夜。
もしも、あなたと一緒にいられる一日があれば、 なにもしなくてもいい。 一緒にいるだけで、 時間がゆっくりと過ぎるように、 じっと寄り添っていたい。 まどろんでいてもいい、 思い出したように言葉を交わし。
たとえば、あなたはわたしの膝に頭をもたせかけ、 わたしはあなたの髪をなぜていよう。 わたしは、あなたのことばに耳を傾けている。
そんな静かな一日が欲しい。
あなたからのメールが届く。 短い時間を作って送ってくれたのね。 そんな心遣いが嬉しい。 ほんの数行に込められた、 あなたの気持ち。
幾度でもあるこんな日。 お話のできない日。 こうしてあなたが投げかけてくれる言葉の余韻に、 わたしは浸っている。
あなたに会いに行くことを想像して地図をたどり、 電車の経路をたどる。 知らない駅に佇んでいるわたしを想像する。 その時は、晴れているのだろうか。 雨が降っているのだろうか。 どちらでもいい、 あなたに会えるなら。
その日は、いつになるのかしら。 いま、気持ちだけは、もう、 あなたのところに飛んでいる。
久しぶりの晴れ間。 地面はまだ湿っているけれど、 気持ちが明るくなる。
あなたと、またお話をする。 自分でもわかる、 笑顔になっている。
夕方は曇り。 空のような、わたしの心。 いったりきたり。
でも、今日は幸せだった。
プランターにときおり見かける雑草が生えていた。 小さな桃色のはながねじれるように並んで咲いている。 調べてみたら、ねじばな、別名を、もじずり、という。 百人一首の歌が浮かんだ。
陸奥のしのぶもじづり誰ゆえに乱れそめにし我ならなくに
これは、わたしの、あなたへの思いそのもの。
今日一日が終りに近づく。 あなたを想うこと、それが今日のわたしの、 あなたへのたったひとつの関係。 それは、いつも過去を振り返る。 あなたと一緒に過ごした、その時間。 あるいは、あなたと会話をしていた時間。
現在の瞬間を、いつもわたしは思い出に紡ぎ込む。 なぜなら、わたしたちの恋には、行きつく未来はないから。 それでも、あなたを好きでいたい。 いまだけでも。
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