恋文
DiaryINDEX|past|will
| 2002年06月20日(木) |
ヤマアラシのジレンマ |
少し遠くに離れた。 遠くにいるほうが、あなたを想う気持ちは強くなる。
家族も一緒。 いつも近くにいると、傷つけあってしまう。 遠く離れていたほうが絆が強くなる。 まるで、ヤマアラシのジレンマ。
こうして、夜に、あなたを想う。 幸福な時間。 そして、寂しい。 あなたとは、傷つけあうような距離には、 まだ、近づいていない。
昨夜、あなたと会話ができた、38秒間。 今朝、あなたと会話した22分間。 どちらも、わたしのもの。
昨日は、もう声が聞けないと思っていた。 そのなかでの、凝縮された会話。
今朝は、いつものように、なんでもないことを話す。 その、おしゃべりの楽しさ。
でも、ただ言いたいことは、 聞きたいことは、 お互いに交わすいつもの最後の言葉。 それだけ。
一日が終わりに近づく。 きょうは、あなたはどうしていたかしら。 会話がない日は、 なにかが欠けているような気がする。
電話もない。 メールもこない。
いつもの道を歩きながら、傍らに咲いている立葵が目にはいる。 凛と立っている姿が美しい。 その姿に和む。 その花言葉、平安。
あなたにはあなたの、 わたしにはわたしの、 それぞれの暮らしがある。
わたしたち二人とも、そこからは離れることができない。 それは、わたしたちにとって、それぞれに大切なことだから。
そんな大切なことを脅かすようなもの。 それがわたしの、あなたへの気持ち。 わたしに語ってくれる、あなたの言葉。
ふたつの大切なことたちのあいだに、 引き裂かれながら、 わたしたちはひとつになる。
家族がみんな外出して、一人で部屋に座っている。 朝食の後片付けも終って。 窓を開けて曇り空を見ている。
そんなとき、あなたから電話があると、 雲の間から日が射してきたように、気持ちが明るくなる。 そのあいだだけ。
それでも、そのあいだが嬉しくて、 わたしはあなたを好きでよかったと思う。
買い物の途中の小道で目にはいった。 もう、あじさいの季節。 今にも泣き出しそうな空の下で、 静かに佇んでいる。
「移り気」という花言葉があるけれど、 「辛抱強い愛情」という花言葉もあるのよ。 そのほうが好き。 そんなふうに、あなたを想っていたい。
夢とうつつのあわいで、わたしはさまよう。 離れていく、夢も現実も、どちらも。 わたしは、誰でもなく、何処にもいない。 それは、わたしがいつも躓くから。 こころが弱いから。
どこにいくのかな。 夢にいきたいのか、現実にもどりたいのか。
ほんとうは、あなたに迎えにきてほしいだけ。 あなたに連れられていきたい。 どこにでも。
|