恋文
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ほんの少し前だったのに、こんなにも変わってしまったわたし。 いいことなのか悪いことなのかとは関係なく、あなたに溺れてしまっている。 間違っていたとは思いたくない。 でも、これで本当に良かったのかという思いも、ないわけではない。 あなたを好きな気持ちは変わらないのだけれど。
少し寒さが戻ったようなこの夜。 わたしの心の中にも風が通りぬける。
会いたいな。会えないと不安に負けてしまいそう。
わたしは、いつも息をひそめて、あなたと話す。 これは秘め事だから。 悲しい時は、秘めやかに泣きたい。 苦しい時は、秘めやかに身を捩る。 心が乱れても、秘めやかに狂いたい。
嬉しい時は、でも、あなたに晴れやかに、呼びかけたい。 これは秘め事ではないかのように。 それが、密かなわたしの願い。
暖かい湿った空気のなかを歩いている。わたしは夜の底にいる。 あなたも、いまこの瞬間にあなたのいる場所の夜のなかにいる。 あなたのところにつながっていく夜空を見上げる。 こんな都会では星も見えない。まして今日も雨が降り出しそうな空。 記憶を蘇らせては、あなたの面影を探す。
あなたが連絡してくれる、うれしかった。 心配かけてごめんなさい。 わたしが夜の底にいても、あなたはこうしてわたしを見つけてくれる。 深い夜の中に潜ってきてくれる。 ありがとう、大好きなあなた。
どうしたんだろう、今日は理由もなく悲しい。 朝はなんでもなかったのに、気持ちがどんどん沈んでいく。 こんなときは、あなたに会いたい。 せめて、あなたの声を聞きたい。 わたしの名前を呼んで欲しいの。 呼びかけてくれるだけでいいの。
あなたの声にすら、わたしを包んでくれる力がある。
毎日のうちで、あなたのことを想っている時間。 今日は、ジムで泳いでいる間、歩いている間、夕食を作っている間、そして、今。 毎日、どこかで考えている。 出会ったときのこと、これからのこと、あなたは今何をしているのか、とか、今度会ったら何をしよう、とか。いつも、同じようなことを考えているだけだけれど。
それは、わたしの生活のなかに、しっかりと入ってしまいました。 だから、失いたくないのよ。
狗飼恭子の「彼の温度」という小説を読んでいた。 17歳の少女の気持ちが、わたしの気持ちと一緒だった。 恋がわたしを幼くしてしまったのか、恋には年齢がないのか、どっちかしら。 あなたを思う気持ち。 それから、次の章は17歳の妹に恋人をとられた姉の気持ち。 これも、わたしの心だった、あなたを失ってしまうという。
失いたくないのよ。いつも想っているの。あなたも、そうでしょう?
ただ、遠くにいるだけで、気持ちが遠ざかるわけではない。 むしろ、自由な時間があったのね、電話でお話ができた。 でも、やっぱり近づくことに、わたしは嬉しい。 あなたの温もりを感じることもできないけど、近づくことが嬉しい。 あなたの、今いるところに、わたしは近づいてゆく。 ただ、それだけなのに、わたしは微笑んでいる。 まだ遠い、あなたの姿が、目の前に浮かぶ。
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