恋文
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2002年04月11日(木) 近づく

帰ろうとしたら、雨、霧のように細やかな、暖かく湿った。
あなたのところには、きっと降っていない雨。
そんなにも、遠いところにいる。
だけど、今から帰るの、あなたの近くに、近くに近づく。今もこの瞬間にも。
かやの、心は震えているのよ、あなたの近くに近づくたびに、嬉しくて、幸せ。
まだ会えなくても。


2002年04月10日(水) 女の子

今朝も、薄く口紅を塗ってグロスもして会社に出掛けた。
誰かに気付かれるかもしれない些細な変化。
雨上がりの街を歩いていると風が髪を絡めて通り過ぎて行く。
あなたに会える時を思って、わたしはもっと女になりたい。
あなたの前で、かわいい女の子でいたいのよ。



2002年04月09日(火) あえかに

あえかに響く、囁くあなたの声。
いつも、これは、わたしのものにしておきたい。
あなたの、この声は、わたしのための、とっておきの声にして欲しいの。
判っている、無茶なのぞみ。
昨日も、懸命に聞いていたのよ、あなたの声。
いつでも、優しくて、暖かい、しなやかな、あなたの声。
いつも、わたしが愛している、あなたの声。


2002年04月08日(月) この季節

雨の匂いのする風に身体を委ねている。
花たちや若葉たちから揺らぐように立ち上る精気のような香りも。
この季節の官能的な雰囲気、すこしけだるい。
あなたと一緒に、この世界に浸っていたい。
会いたい。


2002年04月07日(日) 春の風

春の風が吹く。葉っぱの間にまだ残っていた桜の花びらが降ってくる。
地上に落ちても、なお、転がるように飛ばされていく。
そんな中でも、日溜りの芝生のうえでは、恋人たちが寄り添って座っている。
あれがあなたとわたしの姿だったらよかったのに。
彼らのかたわらを通りすぎながら、ふと髪に手をやると、風に吹かれて舞い落ちてきた花の芯が引っかかっていた。


2002年04月06日(土) 新緑

新緑の萌え立つ公園の広場の隅で、あなたの声を聞く。
電話での楽しい会話のひととき。
周りでは鳩が飛び交い、人々が行き過ぎる。
暖かい日差しの中で、わたしは、ここではなく、あなたのところにいるような気持ちだったの。
でも、本当はあなたと一緒に寄り添って、この景色を見ていたかったのよ。


2002年04月05日(金) 入学式

今日は娘の中学校の入学式。
初々しい子供たちの中に娘の姿を見ている。
こんな確かな生活があって、守っていこうとしているのに、わたしは、あなたを欲している。
暖かく穏やかな日溜りの中を帰りながら、わたしの心はあなたを求めて、ざわざわと波立つ。


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