麩宇野呟秘密日記
透乎



 協会電話

こっちは真剣に電話で質問をしているのに、はいさようならという電話のきり方。あれはなんなのだろうか……。
苦情でも言ってやろうかと、本当に思った。酷すぎる。

2003年09月04日(木)



 メモ−指定

「やめてっ。やめてってば!」
「いやだ」
「嫌いになるからね」
「どうぞどうぞ。そんな嘘、おれには通用しないからさ、いくらでも言ってよ」
「どうして嘘だってわかるのよ」
「抵抗する力が弱いもん」

 ……ぐっと、あたしはそこで思わずだまった。鋭い、鋭すぎて可愛くない。あいかわらず憎らしい。どうして、こんな奴を好きだって思うんだろう。だから、嫌だと思っているのに、どこか体は反比例する。

「……ん、やっ」
「んー気持ちいい」

うしろから抱きすくめられ、身動きが取れない。立ちすくんだまま、前に伸びてくる手を、必死で抑えていた。
このあたしたちの立ち方は、彼にとっては絶好の体勢だ。すべりこませやすく、手が届き易い。
おかげで、両方同時にきた。
寝る用のTシャツはだぶだぶで、すっと入ってきた手は、すぐさま目的地に到達した。あいにく、これ一枚しか着ていない。
下はチャック付きのズボンだったのに、いつのまにかそれは解かれていて、布の下にもう手が入っていた。いきなり、敏感なところを刺激する。

「んっやっ…まって」
「まてない」

制止するあたしの手を、まるで無い物のように気にせず、彼は手を動かしつづけた。やめてもおうと、今度は力いっぱい彼の手を握ろうろするのに、力がでない。一瞬の彼の動きで、あたしの体からはほとんどの力が抜けてしまった。
制止するては、ただ彼の手に添えているだけになる。

「このかっこういいね、味わいやすい」
「あっ」

今度は手だけじゃない。口までもが、あたしをいじめる。
首筋に、軽く吸い付いてきた。

「しばらく、こうしてようよ」

またあたしは、このままなのか。



2003年06月30日(月)



 メモーラスト

目覚めると、あたりは蒼かった。こんなときに目が覚める事がないあたしは、一瞬何がおこったのか戸惑ったけれど、なんの事ではなかった。
まだ、明け方なんだ。

はっと気がついて、がばっと起き上がった。たしか、昨日はベットの横でベッドによりかかって寝たはずだった。だけれど、今あたしはひとりで布団に包まって寝ている。寝ている部屋は同じなのに、場所が違った。
しかも、隣にいるはずの人が、いなかったのだ。

起きるのが遅かった……? それとも、明け方な気がしていたけれど、今は夕方なのだろうか。もうすぐ明るくなるのではなく、真っ暗になるのだろうか。
あたしは、混乱して頭がパンクしそうになった。
とにかく起きなくちゃ! とかけられてた毛布を横にしてばさっとひるがえしたら、同時に目の前のドアがあいた。
「え……」
「あ、起きたんだ。まだ明け方なのに、珍しい」
ドアをあけたのは、隣にいたはずの部屋の主。Tシャツに着替えていて、頭にタオルをかぶって、濡れた髪の毛をがしがしと拭いている。
「おれちょと前におきてさ。とりあえず、風呂入ってきた」
呑気にいっているその人を見つめて、あたしは目頭が熱くなった。もう消えてしまったんだと思ったのに、あたしの気なんか知らないで呑気につったっているんだもの。
あたしがじーっと見詰めていると、それに気がついたのか不服そうにこちらを振り返った。
「ぐっすり眠ってたからさ、ベットに寝かしてやったんだぞ。感謝してもいいのに、なんでそんなに睨むん……って」
ばかだ。おまえは馬鹿ものだ。
あたしは、ほっとして安心したのと、こみ上げてきた寂しさを我慢しきれなくて、目から涙を落とした。不思議なもので、一度出てしまったものはしばらくは止んでくれない。あとからあとからあふれ出てきて、下を向いて隠そうとしたけれど、隠し切れなかった。
「おいおい、なんで泣いてんだよ」
「知らない。あたしに聞かないでよ」
ベットにぺたんと座っているあたし。その顔を覗き込むように、彼はベッドの横に回ると、はしっこに腰をかけた。
「知らないってなー」
最初はどうしたらいいもんか悩んでいたようだが、やがて頭をなでてくれた。
「泣くなよ」
妙に色気のある、やさしい声。なんどもなでてから、彼はゆっくりと顔の方に手を下ろした。耳にふれられたと思ったら、ぐいっと顔をあげさせられた。
「な……」
驚いている間もなく、彼はあたしにキスをした。
「んっ!」
突然のことに、妙な声が漏れる。
そんなことはおかまいなしと、彼はキスを繰り返した。最初は、やさしくついばむようなキス。次は、長く吸い付くようなキス。そして、あたしの口を割って、深く深く口付けをしてきた。
「んー」
こんなキスをするのははじめてで、あたしはその感触に戸惑いを隠せなかった。何がおこっているのか理解できない。必死で逃れようとしたけれど、それを許してくれるほど、甘い人ではなかった。
がっしりとした腕は全く離れない。体も押してみても、口はまるではめ込んだようにくっついて離れなかった。
やがて、あたしの体に力が入らなくなった。体がほてって、ぼーっとする。
「最後だから、もう少し」
離れたと思った唇は再び塞がれて、あたしたちはベッドに埋もれた。

2003年06月24日(火)



 愚痴

+(以下、仕事の愚痴なので読まないほうが良いです)+

最近、ちょっぴりストレス気味。
それも、職場のパソコン(入力の仕方が特殊)を私がまだ扱えないせい。
普通のJIS配列のキーボードを先輩が使っていたため、私は仕方なく50音配列のキーボードを扱うことになりました。
誰がパソコンをうつのかは交代制で、その日はたまたまJIS配列を使う二人が、一緒にパソコン担当になってしまったのです。
シフトを決めているのは、それ担当の先輩なのですが、どうしてJIS配列のキーボードがひとつしかないのに、そういうシフトにわざわざするのかなぁ!
私が来る前までは、JISを使うのはその先輩一人だけだったらしいのですが、私が来てからそういう意味でシフトが狂ったそうな。
おーい。なんなら、買ってくれよ。もうひとつ。それくらいの経費は、余ってるでしょう!
こんなこと、新人の私が言ってもいいのか? 生意気だとか言われるんだろうけど、仕事の効率性を高めるなら、必要だと思うよ。

50音配列のキーボード。私は、職場で初めてみました。
なんと、キーが縦横綺麗に整列していて、左から「あ」その下に「い」。「あ」のとなりには「か」が並んでいるのです。
同じ要領で、ABCも並んでいる。
初めてみたときに思った感想。

「なにこの時代遅れ!」

言わなかったけどね。
しかも、そのキーボードを簡単に操っている先輩3人。
くっ……ごめんなさい。理解できない。いや、向こうからしたら、私の方が理解できないんだろうけどさ。

その日、先輩に使い慣れたキーボードを譲って、50音配列に挑むことになった私。
普通のキーボードなら見ないで打てる私なのに、見るどころの騒ぎじゃない。
探さなくてはならない! 「か」はどこだー「て」はどこだー。しかも、両手打ちに対応していないから(だって、キーボードが整列してるんだもん。ありえないよ)、片手でカタカタと探して打たなくてはならない。
私は、両手でキーボードを打つ事になれているので、片手でパソコンを扱うとストレスが溜まるのです(小指つめたときに気がついた)。
しかも、10本使わないと、さらにストレスがたまるのです。
画面を見ながらうたないと、さらにさらにストレスが溜まるのです。
ウキー!!!!

もう、そんなんでやっていてノロノロしていたら、隣の先輩がいらつくのがわかってきました。
しかも、まだ覚えていないコードとかは、マニュアルをひきつつやっていました。
そうしたら、その先輩が言った一言。

「ちょっとOさん(別の先輩)、教えてあげて。いちいち見てんだもん」

その先輩は、私がわからない事を聞くと「前教えたのに覚えてないの」という言い方をします。教わってない事を聞いても、同じ。
何でも、一回で覚えろと。
無理だよ、私にはー。甘えてるのかもしれないけど、私はあなたみたいに頭がよくないんだ! 繰り返しやって、覚えるんだ。あんちょこ見ないと、まだまだ判らないコードも山のようにあるんだよ!
ぎゃーふー。

なんだか、パソコンが打てない人と馬鹿にされるのが、我慢なりません
タイピングなら、その先輩に負けないのにさ。テキスト文章打たせろよ! それならあっという間に終らせてやる!
JIS配列キーの「あ」を人差し指で打ってんだもん。
そこは、小指で打つのが正しいんだー!
(いや、私だってホームポジションを守ってないけど)

さーて。そろそろ準備しないと遅刻する。
私もまだまだ子供だな。


2003年05月27日(火)



 付き合い方

特別に付き合いたくはない。
それでも、あの人が誰かのものになったら、私はきっといやがるのだろう。
自分のものではなくてもいいから、誰のものにならないで。
まるで、アイドルに向ける思い?

違う。
自分を少し上のランクにおいておいてほしいのだ。
誰かを思い出すとき、一番か二番に思い出して欲しい。
特別なものではなくて。

こんな微妙な気持ちを、相手に望む事は間違っているのだろうか。
同性なら問題ないのかもしれない。世にいう、親友というやつだ。
でも、それではなかったら、きっと当てはまる言葉は無いのだろう。
恋人とは違うし、そうはなりたくはない。

新たな道を、私は作れるだろうか。
それとも、やはりこうしてられるのは、気持ちが無い今だけなのだろうか。
ずっと、このままでいたいのに。それは、やはり我侭なのだ。

2003年05月25日(日)



 泣いた」

私はすぐ泣きます。すーぐ涙をたれ流します。
自分のそういう所嫌でたまりません。
一時期、「あいつはすぐ泣く」と先輩に陰口叩かれた事がありました。
好きで泣いてるんじゃないってのさ! 
関係ないけど、マスカラは耐水性ではないので、けっこう危険です。

今日も泣きたくないのい泣いてしまいました。
見た瞬間、じわじわとやってくる終りという現実に、ショックを受けました。

命芽吹く春。
そんな中、消えようとしているのでしょうか。

2003年03月29日(土)



 不安

大所帯が嫌なのはなんとなくわかる。
私だって、集団は苦手だしういてしまったり、話に困ったりしてしまうし。
だけど、我侭だ。
自分勝手だ。
自分の事しか考えてないのがみえみえだ。
それなら、自分で好きな人だけ集めてハーレムを作ればいいじゃないか。

ここで引きさがるわけにはいかない。
そんなの間違ってる。
それでもなんとなく、不安に陥っている。
ああ、電話してぶちまけて……しまいたいなぁ。

2003年03月28日(金)



 よっかかれるひと

ピンチに陥った時、だれかよっかかれるひとがいるといい。
気持ちがらくになる。
やすらぐ。
おちつける。

そんな人がほしいらしい。
ためこんでためこんで、辛いようだ。

友としてなら、いくらでも貸してやろう。
でも、そういうのではないんだろうな。

「こんな自分でもいい」って言ってくれる人がいたらなぁ。だとさ。
おーい。気がつくのが遅かったね。
もう、私はその気持ちはないぞ。
後悔したか、へへーん。
心の中で、少々復習。

溜め込み易い人だからなんか心配だ。
友として。
異性ってむずかしいね。
特別に好きとか感情がないかぎり、手を貸してやれる範囲が限られてしまう。
私が無性であったらいいのに。そう思った。

肩をだいてやれればいいのに。
抱きしめてやれればいいのに。

ぽんぽんと叩いてはやれたけれど、少しは元気になれただろうか。
がんばれよ。

2003年03月09日(日)



 行く先

就職先がやっと決まった。
駄目だと思っていた、地元の医院だ。

私の市には、商業高校がある。
主婦もたくさんいる。
たいてい、そういうところから、職員の雇うそうだ。
しかし、今回募集できた、初めての大卒の女の子。
むこうは、それこそびっくりしただろう。
よりによって、無駄に歳を食いキャリアをつけてきた、応募者だ。
賃金は、高く支払わなくてはならない。

「大卒にやらせる仕事ではない」
「あきると思う」
「勤務時間が不規則だ」
「給料は安い」

そんな事をいわれ、面接を一度断られた。
しかし、私はそこで働きたかった。
内定していた会社には、どうしても行きたくなかった。
地元で働く事により、自分の時間を持ちたかった。
空き時間を活用して、文章を書きたかった。

私は食い下がった。
どうにか、面接までこぎつけた。
しかし、また同じ事を言われ、やんわり断られてしまう。
でも、そんなの承知の事。
駄目でもともとと思うと、何でも強くなれる気がした。
そのマイナス面は、私にとって魅力だと伝えた。
今まで、応募先には決して言わなかった「自分の時間がもてる仕事をしたい」という事も伝えてしまった。
嘘はつきたくなかった。

結果、採用の電話がきた。
嬉しかった。
うれしかった。

ああ、内定するってこんな嬉しい事なんだ。
そのとき初めて知った。
うかれてしまって、そこの医院を受けると話た相手計5人にいっきに「受かった報告」をしてしまった。
うかれすぎだよ、自分。
あとで、反省した。
ひとりは、これから教習学科の授業だと言っていた。ごめんね。

心配事がないわけではない。
給料が思いっきり安い。
いくら地元にいるとはいえ、同級生よりかるく5万は低い。
架けてみよう、12ヶ月。相当な額の差がでる。
親がいないと、暮らせない……かもしれない。
将来、結婚しないと暮らせないかもしれない。結婚したくないのに。

同期がいない。
若い子が少ない。
それはそうだ、地元のおばんさんを中心にやとっているのだもの。
同期という存在がどれだけ自分の支えになると、ゼミに入って知った私にとっては、けっこうこの事実は苦しいだろう。
今から不安だ。
おばさんと、話をあわせていく自信もないし。
でも、仕方ない。
がんばるしかないのだ。
幸い、友人がひとりこっちに引っ越してくる。遊んで貰おう。

いろいろ、心配事があるけれど、それでも私は「文章が書きたい」その信念で仕事を決めた。
そして、後悔はしていないし、堂々と人に言える。
それが、それだけが、私の唯一の支えであり、目標である。

さあ、土台はできた。
あとは、ただひたすら頑張るだけだ。

2003年03月04日(火)



 

「……なっ、何するのっ」
 パンッ。
 あたしはとっさに、弟の右頬を平手打ちしていた。突然の事にただびっくりして、何をされたのかしばらく理解できなかった。何がおきたのだろう。考えていくうちに、殴った手と触れられた部分を隠している手が、ぶるぶると震え出した。
「おれ本気だから」
 殴られた頬をかばうでもなく、あたしの弟はずっとまっすぐ立っていて、あたしを正面から見つめていた。
「本気だからな」
 あたしは、その目がはじめて恐いと思った。



【今考えているネタより】

すすまない……。
自分のセンスのなさに、思いっきり凹んでしまった。これだけなのに…!

2003年01月25日(土)
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