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JIROの独断的日記
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2003年03月31日(月) 「今までに死にたいと思った事が無い人は教養の無い人である」(アメリカの精神科医 クレイネス)

 ちょっと、過激に響くが、気になる言葉である。

 原文を読んでいないので断定はしかねるが、「教養の無い」は多分、not (well) educated という英語を訳したものだろう。いずれにせよ、あまりこの言葉にはこだわらない方が良い。

 こういうセンテンスは文脈の中で理解しないと誤解を招き易いので、クレイネスの言葉を続ける。

 「つまり、折に触れて死について考える事は誰にでもあることで、別に異常なことではない。人生に希望が大きければ大きいほど、絶望や不安は大きい。もともと人生に希望が無く、『どうなってもいい』と思っている人には不安や絶望も無い。」

 クレイネス医師はうつ病の臨床医としての永年の経験からこのような言葉を述べているのであろう。あまりにも真面目な人は、時に絶望して、死に思いを巡らせる自分自身を「精神力の弱い」人間である、と責めて、マイナス思考のスパイラルに陥ることがある。それがずっと続くと抑うつ神経症になったり、うつ病になったりするのである。

 このような人々に対して、クレイネスは、そうではない。絶望したり、死にたいと思う事は、「弱い」のではない、死にたいと思う事は、「より良く生きたい」と考えているからなのだ、と諭しているのである。

 挫折や失敗で落ち込む事自体は誰にでもあることで、そういうときに更に自分を責めることは避けるべきである。まずは、休む事、力を抜く事が大切だ。

 「疲れた人はしばし路傍の草に腰をおろして道行く人を眺めるがよい。人は決してそう遠くへは行くまい 」(ツルゲーネフ)。


2003年03月30日(日) 重症急性呼吸器症候群感染拡がる。 日本のマスコミは無関心すぎる

 ただでさえ、イラク戦争で世界は不穏な空気に包まれているのに、それに加えて、香港を始めとする東南アジアで、突然「謎の肺炎」、重症急性呼吸器症候群の感染者が急速に増加している。現在有効な、予防薬も治療薬も無い。

◆記事:「米疾病対策センター(CDC)のガーバーディン所長は29日記者会見し、アジアを中心に広がっている肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)に効果のある薬剤は見つかっておらず、今後、さらに大規模な感染の危険があると警告した。

 所長は、肺炎の原因とされる新種のコロナウイルスについて「SARSの患者に効果がある抗ウイルス剤、ステロイド、その他の薬は見つかっていない」と述べた。

 ウイルスは患者に接触した家族や医療関係者を中心に拡大しており、せきやくしゃみなどによる飛まつ感染が中心だが、空気感染や患者が触ったものなどを通じても感染する可能性があると指摘。『医療関係者や家族以外に大規模な感染が広がることを警戒している』とした。」

◆この病気は、具合が悪い事に、海外からの旅行者が感染して飛行機で自国へ帰国する際に飛行機の乗客やや帰国後周囲の人に空気感染させている可能性が高い。27日現在で感染者は、カナダ、中国、香港、台湾、フランス、ドイツ、イタリア、アイルランド、ルーマニア、シンガポール、スイス、タイ、英国、米国、ベトナムで合計1408名が報告されており、既に53名が死亡している。

◆東南アジアへの旅行はなるべく控えたほうがよい。自分だけではなく、他人を巻き込むかもしれないからだ。日本のマスコミももっと注意を呼びかけろ!


2003年03月29日(土) <反戦一行詩>若者がネットで募集 2日間で1200以上も←迂闊にも知らなかった・・・。

◆記事:「 『うそつき人殺しなのに正義』『別れは誰でもつらいのに、なぜ別れを増やすのかな』――。

 イラク戦争に反対する若者たちがインターネットで反戦一行詩を募集したところ、2日間で1200以上の詩が寄せられた。30日に東京都内の反戦イベントで朗読する。心中事件などで暗いイメージが先行するネット社会だが、デモなど表立った行動を敬遠しがちな若者たちの反戦機運を伝える手段となっている。

 詩はホームページ「千人祈(せんにんき)」で募集している。東京都大田区の会社員、大島智博さん(29)らネット仲間の20代の男女3人が「自分たちも何か行動を」と反戦詩のネット募集を思いついた。千羽鶴にならって1000人のメッセージを込めたいと「千人祈」と名づけ、26日に開始した。(中略)朗読は文京区向丘2の駒込大観音で開かれている『ピーステント 悪法おだぶつ村』の中で30日午後4時から。ネットで応募した人が読み上げる。」
言葉で綴る千羽鶴<1>
http://g-labo.to/word_crane.shtml

◆所感:早速、このサイトを見た。普通の人々の、平和を願う魂の叫びが綴られていて胸が熱くなった。

 これを読んだ人は、誰もが、出来る事なら、全部翻訳してブッシュに見せてやりたい、と思うに違いない。

 それにしても、このような企画があったことを知らなかったのとは、迂闊だった。締め切りは今日の正午だったのだ。私も一言書きたかった。しかし、「とりあえず、1回目の締め切りが今日」ということなので、2回目以降の募集があるかもしれない。そのときはかならず、書くつもりだ。


2003年03月28日(金) イラクの子供に明らかな心的外傷の兆候が出ている。

 私は、3月23日の日記で戦争とPTSDについて述べた。それは米軍兵士に関して書いたのだが、それはつまり、戦争のストレスは屈強な大人の男性の精神にすら異常をもたらす、ということである。

 当然、攻撃されているイラク市民にも同じような精神的な障害がもたらされる訳で、今日、残念ながら恐れていた事が起きていることを報じた記事を読んだ。

◆記事:「ストレス、悪夢…空爆でバグダッドの子供にトラウマ
国連児童基金(ユニセフ)のジェフ・キール在ヨルダン広報官は26日、アンマンで記者会見し、米英軍による空爆で、バグダッドの子供たちにトラウマ(心的外傷)の兆候が出始めたことを明らかにした。

 同広報官がバグダッドの現地スタッフからの情報として説明したところによると、トラウマに悩む子供たちには、訳もなく何時間も泣き続けたり、戸棚を閉める音にも敏感に反応して跳ね上がるなどの症状が出ている。また、ストレスや焦燥感が募り、悪夢にうなされる子供も相次いでいる。

 イラク戦争開始以前には、こうした症状は見られなかったことから、同広報官は「空爆が原因であることは明らか」としている。」


◆所感:このようなトラウマがずっと後になっても様々な障害をもたらすのである。無辜の子供たちに危害を与える戦争を、それでも、ブッシュは「正義のための戦い」というのであろう。悪魔め。


2003年03月27日(木) 戦争報道はスポーツ中継ではない。戦況を伝えるばかりのマスコミ。問題は如何にして早く戦争を終わらせるか、だ。

 イラク戦争が始まってから1週間が経った。この間、マスコミ各社は競って戦況の最新情報を伝えようと躍起になっている。

 テレビでは、立体地図のようなものを用いて、何という部隊がいま、どこまで侵攻していて、どのような武器を使っていて、空爆で何人の死者が出たか、というようなことを「軍事評論家」などを交えて伝えている。

 彼らの様子を見て感じるのは、戦争=人殺しという認識が希薄なのではないかということである。戦況を解説する評論家や、その説明を聞く「キャスター」たちはすっかり、この戦争に「夢中になっ」ている。あえて書くが、彼らは戦争がなるべく長く続いた方が良いと考えているのではないか、と勘繰りたくなる(その方が視聴率も上がるだろうし)。

 日本テレビは、女性記者を従軍記者として派遣しているが、その女性記者がいか過酷な環境のなかで、職務を果たしているかを特集していた。当の女性記者はもう2週間もシャワーを浴びていない、とか、女性といえどもトイレなど無いので、砂漠の砂が盛り上がっているところに隠れて用を足すのだ、などと「笑顔で」半ば誇らしげに語っていた。

 勘違いも甚だしい。

 戦争とはとにかく、一刻も早く終わらせるべきものなのである。戦争が起きている今が悲劇なのである。従軍記者など、不要な世の中でなければならないのだ。

 いま、人智の限りを尽くして考えなければならないのは、イラク戦争を如何にして早く終結させるか、である。戦争の現状を地図を使って説明しているだけでは、サッカーの戦法の解説をしているのと変わらない。


2003年03月26日(水) 古尾谷雅人氏の自殺。無論断定はできないが、内因性うつ病、微笑みうつ病というものがある。

 昨日、俳優の古尾谷雅人氏が自宅で自殺したことに関して、マスコミがいろいろ書いたり、放送したりしているが、その中で目立つのは「古尾谷氏は仕事も家庭も順調だったのに何故、自殺したのか?」という論調である。

 無論、真相は永久に分からない可能性が高い。古尾谷氏が以下に述べる状況に該当していたかどうかは、わからない。しかし、人々に知っておいて欲しい事がある。

1.自殺する人の多くはうつ病にかかっていた可能性が高い。
 
 したがって、うつ病であることを本人や周囲が自覚して治療すれば、自殺を防ぐことができる。

2.うつ病には反応性うつ病と内因性うつ病がある。
 
 反応性うつ病とは、仕事のストレスや職場・家庭での人間関係、近親者の死、などの外的な要因(ストレス)によって引き起こされる。これは一般の人にも理解しやすいだろう。

 しかし、一方で、特にこれといった原因が無くても発病するうつ病がある。これを内因性うつ病という。うつ病は脳内神経伝達物質(100種類以上もある)のセロトニンとノルアドレナリンの量が減少して生じるのではないか、と考えられている(本当の原因はいまだに解明されていない)。どうしてこのようなことが起きるのかは分からない。但し、誰でもうつ病になる可能性がある、ということである。そして、それは本人の責任ではないのだ、ということを理解して欲しい。

3.反応性でも内因性でも、本人が苦しさを押し隠す「微笑みうつ病」という病がある。
 
 微笑みうつ病というのは、正式な医学的な病名ではないが、一部のうつ病患者が示す病相を表現するために作られた言葉である。

 本人は、実は、大分前から気分が落ち込む、眠れない。意味も無く不安になる。イライラする、などのうつ病の諸症状を自覚しているのだが、うつ病患者には周囲に気を使う人が多いので、家族や職場の人々に心配をかけまいとして、わざと明るく振舞ったり、いつもニコニコしている、という病態である。

 この場合、何しろ表情は明るいので、周囲の人間は気がつきにくいが、うつ病特有の他の症状(朝のうち調子が悪くてよくミスをしたり、ぼんやりしているが、午後になると調子が良くなる。不眠がある。食欲不振、性欲の低下、など)が現れていることがあるので、そのような兆候に気がついたら、精神科(最近はメンタルクリニックなどという看板が多い)か、心療内科を受診することをさりげなく、勧めることが望ましい。

 この時、本人が不安そうな顔をしたり、そのような言葉を口にしたら、「うつ病は必ず治る病気なのだ」と言ってあげて欲しい。

 自分は健康でも、ちょっと病気の知識を持っていると、他人を救う事が出来る場合があるのだ。


2003年03月25日(火) アメリカの目的は、イラクの大量破壊兵器を除去することだったはずなのに、なかなか見つからないね。

 アメリカが今回イラクを武力攻撃するに当っての大義名分は、「イラクが所有している大量破壊兵器は、世界平和に対する脅威であり、これらの兵器がテロリストの手に渡る前に除去しなければならない」、というものである。

 2月5日にパウエル国務長官は国連安保理の外相会議で、イラクの大量破壊兵器開発疑惑に関してアメリカ政府が集めた「機密情報」を提示して、「イラクの組織的な隠ぺい工作を裏付ける証拠だ」と述べた。

 パウエル長官は、このときに、イラクの共和国防衛隊の推将と大佐の間で交わされた交信の傍受記録や、軍事偵察衛星による写真などの資料を差し出して、1時間20分にわたって熱弁をふるった。

 パウエル長官はこの中で、「国連の査察官が来る直前に兵器開発の証拠隠滅を試みた」「バクダッド近郊のヤシの木の中に生物兵器を搭載できるミサイルを隠した」などと指摘した。さらに、イラク軍が化学兵器貯蔵庫を隠蔽した事を示す衛星写真などを見せた。

 私が、素朴に疑問を抱くのは、そこまで、証拠を握っているのであれば、何故、最初からミサイルが隠蔽してある場所を爆撃しないで、バグダッド市内の関係の無い場所をむやみやたらと空爆するのか?という点である。

 イラクの大量破壊兵器を除去するのが目的の戦争であるならば、当然、兵器がある場所を重点的に攻撃してこれを使用できないようにする。そして、フセインに降伏を迫る、というのが、普通の発想である。

 にも、関わらず、今日はブッシュがこの戦争は始まったばかりでまだまだ長引くだろうと演説していた。???。不自然である。

 ブッシュの意図が、もし、戦争を長引かせて国内経済の低迷から国民の関心を逸らせようとしているのであれば、完全に親父と同じ道を歩む事になる。つまり、次の大統領選挙で、負ける。

 いくらブッシュがバカといえども、これぐらいの事は分かりそうなものなのだが・・・。

 いずれにせよ、アメリカがこれだけの大戦争を起こして世界を混乱させながら、イラクの大量破壊兵器を発見できなかったら、大問題だ。そのとき、アメリカは国際社会で孤立するしかない。


2003年03月24日(月) イラク戦争>捕虜映像の放映、自粛を要請 米国防総省 ←馬鹿野郎。何を勝手な事を言っているんだ。

◆記事:「米国防総省は23日、イラク南部ナシリヤの戦闘で捕虜になったり死亡した米兵の映像をカタールの衛星テレビ局アルジャジーラが放映した問題で、国内外の報道機関に対し、捕虜映像の放映は捕虜の人道的待遇を定めたジュネーブ条約に違反するなどとして、自粛を要請した。」


◆所感:米国のこういう自分勝手な言動にはもう、飽き飽きした。ジュネーブ条約などという、国際法を持ち出すのであれば、米国自身が国連憲章に違反して、安保理決議がないまま、イラク攻撃を開始した事実は、一体、どうやって弁明するのだ? それだけではない。昨年12月26日のワシントンポスト紙は、911テロ以降、アメリカが捕らえたタリバン兵やアフガン兵に、肉体的、精神的拷問を加えている事をすっぱ抜いた。

◆これについて、ラムズフェルド国防長官は、「タリバン兵やアフガン兵は『不法な』戦闘員であるから、ジュネーブ条約でいうところの戦争捕虜に該当しない。」だから、荒っぽい扱いをしても構わないのだ、というとんでもない、開き直り発言をしている。

◆要するにテロリストやその協力をした奴らは、拷問にかけても良いということを言いたいのであろう。しかし、法的に思料すれば、国連憲章に反して戦争を始めたアメリカという国家の戦闘員も「不法な」戦闘員であることにかわりはない。

◆戦争は、人間が、自らの心を悪魔に売り渡すような誘惑を仕掛ける。戦争が長引くほど、また、激化するほど、このような残酷な「報復の連鎖」が続く事であろう。

◆日本国は、ボヤ―ッと戦争を眺めていなければならない道理はない。米英とイラクの間に入り、早期講和条約締結に向けて、調停役を買って出ることは出来る。我が国は、戦争がはじまりそうなとき、また、不幸にして始まってしまったときに、世界のどの国よりも口うるさく、「とにかく戦争はやめろ!」と介入し、調停役をつとめる国として国際社会に独自の存在意義を示せばよいのだ。


2003年03月23日(日) 戦争は、アメリカ兵の心身をも蝕んでいる。PTSD(心的外傷後ストレス障害)はベトナム戦争後に作られた病名である。

 戦争によって、心身を傷つけられるのは、攻められる側だけではない。戦争を仕掛けたのはアメリカだが、アメリカ兵も戦争により深刻な影響を受ける。

 PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、トラウマ(心の傷)によって起きる病気である。PTSDの原因となるトラウマは死に直面するような出来事や自分や他人の存在に関わる危険な出来事である。そういう出来事を経験したり目撃することによって、思い出したくないのにその出来事を思い出したり、白昼夢のごとく現実に再びそのような出来事を経験しているように感じる、という症状に悩まされる。異常に怒り易くなったり、過度の警戒心を解くことができない、不眠、イライラ、といった症状も起きる。

 日本国内で言えば、地下鉄サリン事件や阪神・淡路大震災の経験者の多くがPTSDになっているし、そのような大事件ではなくても、交通事故やレイプを経験した人にもしばしば見られる。

 しかし、そもそも、PTSDという病名が出来て、精神医学者によって研究されるようになったのは、ベトナム戦争で極限を超えるような悲惨な体験をした米兵の多くが、帰国後に様々な深刻な精神症状を呈することが、アメリカで社会問題になったからである。当初は「ベトナム帰還兵症候群」と呼ばれた。

 戦争が個人の精神に与える悪影響は、ベトナム戦争でも、今回のイラク攻撃でも変わりはないであろう。事実、911テロ後、タリバン掃討作戦のためにアフガニスタンに赴いたアメリカ兵の中で、帰国後、明らかに精神状態に異変を来たした症例が報告されている。悲惨なケースでは、帰国した兵士が、何も家庭内に問題がないのに、突如、妻子をナイフで刺し殺すという事件が何件も起きた。これは、ニュースでも報じられた。

 戦争であまりに悲惨な状況を体験すると、平和な環境に戻っても、突然、敵に襲われる錯覚に襲われ、その恐怖のあまり、身近にいるものを殺傷してしまう事すらあるわけである。

 アメリカ兵とて、好きで戦場に向かうわけではない。国家の命令により、止むを得ず戦場に赴く。そして、このような悲惨な心の傷を負う。

 国家の中枢にいる人間は「戦争を開始せよ」と命じるだけで、自分は安全な場所にいて報告を聞くだけである。だから、戦争のもたらす悲劇を自らのものとして感じる事が出来ない。しかし、国家の指導者としては、自国民を戦地へ送り、癒しがたい傷を負わせる事に関して責任がある。

 ブッシュ政権の面々の中で、パウエル国務長官は戦争に最も消極的だった一人である。彼は軍人として湾岸戦争を経験した。彼が、本当は戦争をしたくなかったのは、戦争の悲惨さをいやというほど知っていたからであろう。

 ブッシュは父親の権力を利用して自らは兵役を免れたといわれている人間である。そして、恐らく戦場のありさまを想像することもないのであろう。

 こういう人間が始めたのが、今回の戦争である。ブッシュはイラクの一般市民のみならず、自国民にも悲劇をもたらしている事実に気がつかなければならない。


2003年03月22日(土) 「精密誘導兵器」「ピンポイント攻撃」というアメリカの言葉に惑わされてはいけない。市民の死者が出ている。

 ラムズフェルド国防長官は、国際世論の非難を意識して、「攻撃の標的はフセイン政権の中枢や軍事施設であって、一般市民を巻き込まないように、注意を払っている」という意味の事を記者会見で繰り返し述べている。が、それはウソだ。

 バクダッドの大規模な空爆の映像を見ただけでも、あれだけの爆発が起きて、周囲の市民が全く無傷でいられるわけがないことは、容易に想像できる。いくら、「一般市民を狙っていない」といっても、アメリカは「たまたま、巻き添えになる市民がいても、仕方が無い」と考えている。つまり、市民を殺傷する「未必の故意」があるのは明らかだ。

 南部の都市バスラでは、湾岸戦争のときに米軍が大量の「劣化ウラン弾」を使用した。劣化ウランは核燃料(原発でつかう)や核兵器を作るときに生じる核廃棄物で各国ともその処理のしかたに困っているが、アメリカの軍事産業はこれをミサイルや対戦車砲の表面に使うことを考え出した。劣化ウランは質量が大きい金属で、ミサイルなどの弾頭につけると貫通力が増強されるからだ。

 問題なのは、劣化ウラン弾が爆発すると放射能をあたりに撒き散らす事である。湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾から生じた放射能の総量は、広島に投下された原爆の1万倍とも3万倍とも言われるほどだ。

 この放射能は風に乗って、バスラは勿論、500kmも離れたバグダッドまで到達した。そのせいで、湾岸戦争後、イラクでは白血病になる子供がそれ以前の十数倍に増加し、奇形児がうまれることが増えた。湾岸戦争から12年も経っているが、バスラの小児科病院では、いまだに毎日4人から6人の子供が白血病や小児ガンなどで死んでいるというし、バクダッド市内の病院でも、いまだに小児ガンなどで入院する子供がいる。

 アメリカ軍は911テロ直後のアフガニスタン攻略においても、劣化ウラン弾を使ったといわれているし、今回のイラク攻撃ではさらに強力な劣化ウラン弾を使うだろうと言われている。

 12年前の湾岸戦争で傷つき、放射能にさらされたイラクの一般市民は、その傷が癒えないうちに、新たな砲撃に晒されているのだ。

 私が、ブッシュを馬鹿野郎といい、アメリカは野蛮な国だ、と非難するのは、彼らがこのような惨状を百も承知のくせに、今回の戦争を始めたからである。これは、悪魔のような行為としか言いようが無い。


2003年03月21日(金) 「にわか軍事評論家」になってはいけない。戦争はTVゲームではない。人が死ぬのだ。

 イラク攻撃に関するNHKの特別番組を見たら、12年前の湾岸戦争のときに有名になった、変な髪型をした軍事評論家(兵器評論家)がまた出ていた。この度の戦争で使われている武器について、淡々と解説していた。この人は戦闘の映像をチラッと見ただけで、これは何という名前のミサイルで、射程距離はどれぐらいで、命中精度は何パーセントかというようなことをすらすらと述べる。

 湾岸戦争のときには、この人の影響で「にわか軍事評論家」になったつもりで、次はアメリカはどのような武器を使い、どのような攻撃を仕掛けるか、というようなことを夢中になって話す一般人が沢山、いた。

 当の軍事評論家や「にわか軍事評論家」達を見ていて思うのは、悲壮感が欠如している、ということである。戦争に悲壮感を覚えないのは、想像力が不足しているためである。

 何も戦争に限った事ではないが、人間という動物は、「他人の立場になって考える」能力を持っている。「思いやり」という言葉に置き換えても良い。それは、想像力に他ならない。

 言うまでも無い事だが、実際の戦争は、TVゲームの「シューティングゲーム」ではない。ミサイルが命中した場所では、人の腕や足がちぎれ、肉片となる。目玉や脳が飛び出した死体が無数に横たわる、凄惨な現場なのだ、ということを認識する想像力を働かせなければいけない。

 戦争を憎み、平和を願う心は、想像力なくしては、始まらない。


2003年03月20日(木) 3月20日には嫌な事が起きるのか。8年前の今日は地下鉄サリン事件

 1995年3月20日には日本で地下鉄サリン事件が起きた。その8年後の今日、アメリカによるイラク攻撃が開始された。どういう因縁か分からぬが、嘆かわしい。

 アメリカの精神科医が月と人間の精神状態との関係について研究した、「月の魔力」という本がある。昔から、満月や新月の夜には何かが起きるといわれていたが、それは単なる迷信ではない、という。月の引力が満潮・干潮を引き起こすことは知られている。人の身体も80%は水分で出来ている。月の引力が人体の水分に潮汐をもたらし、それが人間の行動や感情に影響を与えるという「バイオタイド」理論を提唱した本である。

 調べてみると、地下鉄サリンの日も今日も月齢は約17。満月から2日後である。また、湾岸戦争が起きた1991年1月15日(イラクがクウェートから撤退する期限とされていた日)は新月だった。何か関係がないとは言い切れない。

 しかし、だからといって、戦争が起きても仕方がないとは、勿論、いえない。

 人類が誕生してから400万年も経っている。いまだに暴力で他の人間の集団を屈服させようとしていたのでは、基本的な性向は全く変わっていないと言う事になる。暴力に訴えたいが、その衝動を抑えて平和的に紛争を解決しようとする努力こそ、人間のインテリジェンスだろう。ブッシュにも、フセインにも、小泉にも欠けているのは、それだ。


2003年03月19日(水) アメリカの行動は明らかに国際法違反である。その法的根拠。

 国連加盟国は国連憲章にしたがわなければならない。

国連憲章第1条には次の文言が記されている。
「国際連合の目的は、次のとおりである。
国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整または解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。」

第2条第4項には、
「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」と明確に規定してある。

つまり、国連憲章は、原則として武力の行使を禁止しているのである。例外的に武力を行使することが許されるケースは、2つしかない。

1つは、加盟国に対する武力攻撃があった時、安全保障理事会が必要な措置を取るまでの間に個別的または集団的自衛権を行使する場合(第51条)。
もう1つは、安全保障理事会が国際平和や安全の維持回復に必要だと認める場合(第42条)である。

今回は、このいずれの場合にも該当していない。特に2番目に関しては、米国は安保理の決議を求める事すらしなかったのである。

米国の行動が許されないのは、単なる感情論だけではなく、法的にも国連憲章という国際法に違反しているからなのである。

小泉首相は米国の行動が国連憲章に反しないと言っている。彼が、国連憲章を読んだ事がないことは明らかである。あの人物はそういう、いい加減な事を平気で行う人間なのであることが、改めて分かった。


2003年03月18日(火) 「一人だけ狂っている人間がいる。ジョージ・ブッシュだ。」(NY市民)

 ブッシュの馬鹿野郎。

 そんなに人を殺したいのか。ならば自分が最前線へ赴くが良い。お前が死ねば世界は喜ぶだろう。

 イラクは国連決議に違反しているだと?アメリカは国連決議自体を避けたじゃないか。国連の存在、国際世論の存在を無視しているではないか。他国を非難できる道理がないだろう。

 39歳のときに神の啓示を受けただと?自分はフセインを倒すために神に選ばれた人間だと?そういう奴を自己愛性人格障害というんだ。

 日本人は他人事だと思ってヘラヘラしてはいけない。こういう時に意味もなくニヤニヤと不得要領な表情をするのは日本人の悪い癖だ。ロンドンに駐在していたときにイギリス人に指摘された事がある。日本人はアウシュビッツの強制収容所跡を見学に行って、ユダヤ人が虐殺されている写真を見てニヤニヤ笑っている。どういうつもりなんだ?、と。

 イラクでは無辜(むこ)の民が大勢殺されようとしている。それを平然と見ている日本国。ああ、情ない。

 戦争を避けるために、何故、ベストを尽くさないのか。戦争が如何に悲惨なものか知らないのか。

 岩波文庫から出ている「きけ、わだつみのこえ」という戦没学生の遺書集がある。戦争の悲惨さがいやというほど、わかる。特攻隊で出撃する前の晩に、親に、友人に、恋人にしたためた手紙だ。これを読んで、涙が出ない者、なお、戦争に反対しないものは、人間ではない。


2003年03月17日(月) 何故、アメリカは他国を侵略する権利があるのか?イラク人から見れば、アメリカこそ「悪の枢軸」だろう。

 アメリカはイラクを「悪の枢軸」の一つだという。イラクは大量破壊兵器を保有しているから、危険な国だという。

 全ては相対的である。普通に暮らしているイラク人の立場になって考えれば、アメリカの方が、イラクよりも遥かに多種、大量の大量殺戮兵器を保有しており、何だかんだと因縁をつけて攻めて来る、「悪の枢軸」であろう。

 いかなる国も、自分の国の体制が最善であり、それを他国も導入すべきだ、などと主張する権利は無い。アメリカン・デモクラシーが優れたシステムというのであれば、何故あの国では犯罪があれほど多発するのであろうか?

 そもそも、デモクラシーを標榜するのであれば、国際社会においてもそれを尊重すべきである。国連安保理のなかでは、イラク攻撃に反対する国の方が多い。従って、デモクラシーの多数決原理により、攻撃すべきではない。これが、論理的な結論である。

 アメリカ人は、こんな簡単なこともわからないのか?


2003年03月16日(日) アメリカは野蛮な国だ。それを支持する日本政府はバカだ。

 この週末、世界中で何度目かの反戦デモが行われているのに、アメリカという国は場合によっては、国連の武力行使決議がなくても、イラクを攻撃しようとしている。なんという傲慢な国であろう。

 イラクは国連の査察団を受け入れており、ミサイルを既に60基以上、査察団の監視の下で廃棄している。

 イラクがアルカイダと関係していて、武器を与えているという客観的証拠をアメリカは示していない。

 このような状況で、1日も早くイラクを攻撃しなければならないという論理的根拠は存在しない。

 そもそも、対テロ戦争ならば、ウサマビンラディンを捕まえる事が優先されるべきである。アメリカは既に22万人もの軍隊を中東で待機させているが、それだけ人を使うのならば、まず、ラディンとアルカイダを根絶することに注力するのが順序というものであろう。

 アメリカは既にかなりの数のアルカイダやアフガニスタンの兵士を捕らえているが、彼らに対して拷問を加えている事をワシントン・ポスト紙がすっぱ抜いているし、つい昨日も次のような報道があった。

◆「裸に氷水掛け、睡眠妨害も 米軍の過酷な取り調べ証言

 【カブール15日共同】米軍による反テロ戦の一環として、アフガニスタンのバグラム空軍基地に拘置されたアフガン人男性2人が、15日までにAP通信のインタビューに応じ「全裸にされて氷水を掛けられた」などと、米軍による過酷な取り調べの様子を証言した。
 基地にはテロ組織アルカイダや旧政権タリバンのメンバーが拘置されているもようだが、取り調べ状況が伝えられるのは異例。米軍報道官は「(証言内容の)一部は部分的にしか正しくなく、一部はまったくのでたらめ」と反論している。
 証言者の1人サイフラフマン氏は米軍の作戦に協力していたが、昨年12月、東部コナル州で拘束された。証言によると移送後の取り調べで全裸にされ氷水を掛けられたほか、睡眠を妨害され、長時間立たされたり、女性兵士から屈辱的なあざけりを受けた。」


 アメリカ人は野蛮だ。このような残虐な行為は、イラクとの戦争が開始され、イラク人が捕らえられれば、一層エスカレートするであろう。戦争は人間に狂気をもたらすからだ。

 日本政府は、かかる状況がありながら、ひたすらアメリカに対する支持を打ち出している。小泉内閣総理大臣は、「何故、アメリカを支持するのか」、国民に納得がいく説明をするべきである。


2003年03月15日(土) 「地球外知的生命体探査計画」(SETI)からメールが届いた。

 SETI@homeに参加している人は日本にもかなりいるはずである。SETIとは"Search for Extraterrestrial Intelligence"の略。アメリカのカリフォルニア大学バークレー校が行っているプロジェクト。プエルトリコにある世界最大のアレシボ電波望遠鏡で宇宙からの電波を収集し、その電波を1/4メガバイトのサイズに切り分け、インターネットに接続している世界中のパソコン(あらかじめ無料の解析用ソフトをダウンロードし、インストールしておく)で手分けして分析するという壮大な計画である。1999年にスタートして、いまや世界中で430万人が参加しているという。私も2年ぐらい前から参加している。

 昨日、アメリカのSETI@homeからメールが来た。こんな事は初めてだ。但しニュースになっていたから、大体内容の検討はついた。

 「いままで集めて世界中のパソコンで解析してもらったデータの中から、約150の、自然界の電波にしては強すぎる信号が得られたので、それらにターゲットを絞って、3月18日から20日にかけて詳しく解析する予定だ。その結果は近いうちに発表される。乞うご期待。」といったものである。私などはパソコンに余裕があるときに、その解析ソフトを動かしているだけなので、貢献度は殆ど無きにひとしいのに、こうしてわざわざメールを送ってもらって、ちょっと、嬉しかった。

 太陽系が属する銀河系は直径が10万光年の大きさでその中には2000億以上の星がある。そして、宇宙全体には似たような銀河が500億個以上も存在するといわれる。我々の銀河系から一番近い銀河はアンドロメダ銀河だが、一番近いといっても、地球から220万光年の彼方にある。宇宙の年齢は137億年である、という研究結果も最近発表された。とにかく天文学の話は壮大でいい。


2003年03月13日(木) ブッシュの知能指数を公開せよ

 ブッシュ大統領というのは、どうやら本当のバカのようだ。ブッシュ妄言集という本をチラッと眺めただけでも、「アメリカは日本と過去百年、良好な関係を維持している」(??)とか、「カナダとメキシコに国境紛争は発生していない」(世界地図、見たことある?)などの、唖然とするような言葉をしょちゅう、口にするらしい(側近はさぞや大変だろう。ごくろうさま)。

 こういう本は売れるためには多少、脚色している可能性があるが、昨日の日経を読んで、笑った。ブッシュの一日は「神に祈りを捧げる事」と「聖書の黙読」で始まるのだという。イラクとの戦争をはじめたら、兵士たちの無事を毎日神に祈るつもりなのだそうだ(そんなことするぐらいなら、最初から戦争しないで問題を解決する方法を考えろよ、バカ)。

 聖書ねえ。キリストさんは「我、汝らに告ぐ。汝らの仇を愛し、汝らを責むる者のために祈れ」って書いてあるんだけど・・・、読めない?

 世界唯一最大の超大国で、最も危険な武器を最も大量に保有している国の指導者としてふさわしいだけの知能をブッシュが持っているのか、米国は、検査して公開するべきだ。


2003年03月12日(水) 嫌いな人間には自分の抑圧している欲望が現れている。心理学用語、「投影」

 ある人間のことが大嫌いだ、という場合、心理学でいうところの「投影」という心理防御機制(自我を安定させるために無意識に作動する心的な反応)が作用していることがある。自分が「重要と思うのだが、抑圧している」欲望、感情がある場合に、これをおおっぴらに前面に出している人間を見たときに、強い反発を覚え、その人間を非難することによって、心の安定を図ろうとするのである。

 教科書風にいえば「投影とは」、「主体が個人として受け入れる事が出来ない欲動を外へ棄却したり、他人に限局する、心的操作。そのことにより主体は自分自身の欲動に気がつかないでいることが出来る」

 例えばある男性は性的衝動がとても強い人なのだが、その衝動のままに生きると、現実社会ではさまざまな問題を起こすので、自分でも気がつかないうちに(無意識に)性的衝動を抑圧している。この人が、所謂、プレーボーイというか、女関係が派手な男を見ると折角抑圧している自分の衝動を刺激される。そこで、その相手を非難することによって自我の安定を図ろうとする。

 また、別の例で言えば、ある女性は、「仕事が生きがいだ」といい、キャリアを持ってバリバリ働いている。ところが彼女は心の奥底では結婚して子供を産んで、和やかな家族関係を持つことが重要だと思っている。しかし、それは無意識に抑圧し、表面の意識の上では仕事をする女性が偉いのだ、と考えている。彼女が、学生時代の友達で今は幸せな家庭の主婦になっている女性をみると、反発を覚えるかもしれない。そして、相手を心の中で蔑む事により心の安定を図ろうとする可能性がある。

 このように、自分がある人を嫌いだ、という感情を抱いた場合、全てに当てはまるわけではないが、自分が「一番重要だと考えているが抑圧している」、欲望や感情を、相手が象徴している場合がある。そう考えると、学校や職場で嫌いな人をヒントにして、自分は本当は無意識に何を抑圧しているのか知ることができる。

 抑圧は社会生活を営むに当たり、必要な心理的反応だが、抑圧ばかりしていても自分が可哀想である。そういうときは、自分にそういう欲望があることを認めてやる(実行に移すかどうかは別として)ことが大切である。

 一番目の男性の例なら、「ああ、いろいろな女性と関係したいと思うこと自体は別に悪い事ではないのだ(実行に移すのでなければ)」と認めてやることにより、自我を救う事ができる。随分楽になるはずである。


2003年03月11日(火) 朝日新聞襲撃事件、全て時効が成立。殺人罪に時効なんてあって良いのだろうか?

 ここで言う時効とは、刑事法上の時効のうち、「公訴の時効」と呼ばれるものである。

犯罪行為が終わった時点から起算して、一定の期間が経過すれば、時効が完成し、その後の起訴は許されない(刑事訴訟法第337条第4号)。期間の長さは法定刑の重さによる(刑事訴訟法第250条)。

 法律は人間が作ったものだから、何故、そうなのか?と改めて問われると、はっきりと答えが存在しないことがしばしば、ある。時効制度の存在理由に関してもいろんな学説がある(と、いうことは論理的必然性はない、ということになる)。

 犯罪から時間が経つと証拠が散逸して審理が困難になるから、という説(訴訟法説)、時間の経過に伴って、刑罰を加える必要性が低下するから、という説(実体法説)、などが代表的な「学説」だが、どちらも釈然としない。前者は要するにあんまり時間が経った事件は証明するのが難しくて面倒臭いから、やめてしまおう、という風に読めるし、後者については、時間が経つとどうして、刑罰を加える必要性が低下するのか分からない。特に殺人罪のように取り返しのつかない重大な犯罪に関しては、納得がいかない。

 国によっては重大な犯罪に関しては時効を認めない、という法律もあるのだ。つまり時効が必ず存在しなければいけない理由はないのである。

 人を殺して、15年逃げおおせたら、後は罪を問われないなんてことがあって良いものだろうか? 殺人罪の時効は、廃止すべきだ。


2003年03月10日(月) 58年前の今日、東京にはたくさんの爆弾が投下されました。

 1945年3月10日は東京大空襲の日です。それまでにも空襲はあったけれども、この日の空襲はそれまでにない大がかりなもので、B29というアメリカの飛行機が東京の下町を中心に、ものすごい数のばくだんを落としていきました。下町はわずか30分で火の海となり、26万軒の家が燃えて、、10万人の罪の無い人々が亡くなりました。

 日本は東京が空襲に遭ったばかりでなく、その約5ヵ月後には、アメリカの原子爆弾によって、広島と長崎は地獄のような場所にされてしまいました。

 それから、58年が経ちました。アメリカは今でも他の国の人を殺すのが大好きです。今は、イラクという遠い国に、また、たくさんのミサイルを撃とうとしています。イラクの普通の人たちはいつ死ぬかわからないので、とても怖がっています。でも、アメリカはフセインというおじさんを殺すためには普通の罪の無い人たちが死んでもいい、と思っています。

 58年前にアメリカに沢山の人を殺された日本は今ではすっかりアメリカと仲良しです。そして、日本のえらいひとたちは、アメリカがイラクの人たちを殺すのも仕方が無いとかんがえています。世界中で、沢山の人たちが、「アメリカは戦争をはじめるのをやめろ」と叫んでいるのに・・・。


2003年03月09日(日) 誰かを批判しているばかりでは、景気は良くならない。

 テレビでの討論を聞いていると、評論家というのは気楽な商売だな、とつくづく思う。「このままでは、株価が8000円を割れてしまう。株価下落を引き起こしているのは大手銀行株が売られつづけているからだ。銀行株がなぜ売られるかといえば、公的資金を注入されて、経営者が責任をとらされるのを恐れるあまり、無理な増資を行うからだ。それは、金融庁が銀行を締め付けすぎたからだ。」というような論旨であった。同じ人物は以前、金融庁の銀行に対する監督が甘い、と言っていたのである。

 評論家とかコメンテーターとか呼ばれる連中は、銀行はけしからん、金融庁はなっていない、というばかりである。自分からは、現在の日本が抜け出せないでいるデフレを克服するために、具体的に何をどうするべきか、という提案はできないくせに。いたずらに世間の不安を煽り立てている。

 英語で"Words are cheap."(言葉は無料だ)という。何かを言うだけなら誰でも出来る。という意味だ。日本語では「言うは易し、行うは難し」という。正にその典型といえよう。

 デフレが続くと、企業収益が悪化して、企業はコストを減らすために従業員の給料を減らしたり、リストラと称して従業員を解雇する。サラリーマンは給料が減り、またいつクビになるか分からないという不安から、消費を差し控える。このために、モノが売れずに供給過剰となり、ますます物価が下がる。すなわちデフレがさらに続く、という結果になる。今の日本が正にそういう状態だ。

 私自身は、とにかく雇用不安がある限り、個人消費は増えないのだから、とにかく税金を雇用創出に投入するのが第一だとおもう。しかし、私ごときが考える事は役人たちだってすでにとっくに考えているに違いない。

 日銀やら、財務省には天下の秀才が集まっているはずなのに、誰も有効な対策を提案しない。それは何故か言うと、これだけデフレが続いた状況は世界史的にも前例が無いので自信を持って政策を提案する事ができないのである。それから、前例がないだけではなく、うっかりヘンな事を提案して、効果が上がらず、責任を問われるのが嫌なのである。責任を取らされるというのは役人が最も嫌うところだからだ。

 役人の世界にはびこる、悪しき習慣、「減点主義」を改めるべきだ。小泉内閣総理大臣は、「何か日本の景気を良くするためにアイデアがある奴は、まとめて、持ってこい。責任は俺が取る。」と言って欲しい。まだまだ、日本人の能力は生かしきっていない、と思う。


2003年03月08日(土) <大学入学資格>外国人学校卒業生も容認へ 朝鮮人学校は除外 文部科学省という役所は・・・

◆記事:「文部科学省は6日、高卒者や大学入学資格検定(大検)の合格者などに限定してきた大学入学資格を、米英の学校評価機関が認定した外国人学校の卒業生にも認めることを決めた。しかし、朝鮮人学校などは、米英の評価機関の認定がないため除外され、卒業生はこれまで通り大検に合格しないと大学に入れない。同省は7日からホームページで一般から意見を募るが、朝鮮学校関係者らの反発は必至だ。朝鮮学校などを認めなかったことについて、文科省幹部は「今は、朝鮮学校に資格を認めることに国民の理解が得にくい」と述べ、日本人拉致問題などで北朝鮮への国民感情が悪化したことが一因になったと認めている。」

◆所見:こういうのを、「差別」というのである。文部科学省というのは本当にバカだ。「ゆとり教育」を小学校に導入して、子供の学力を低下させたり、考え得るありとあらゆる愚かな政策を実施しているとしか思われない。何でこんなにバカなんだろう。

◆北朝鮮拉致問題と在日韓国人の子供が大学教育を受ける権利とは、関係がないだろう。在日朝鮮人の高校生の子供たちは、拉致問題に関して全く責任はない。これが論理的な思考というものである。どうしてこんな簡単な事がわからないのか?もはや、「不可思議」という表現を用いたい。


2003年03月07日(金) 音読を続けることでTOEIC780点は取れる。お薦めの本がある。

 780点に特に意味があるわけではない。以前、私が取った点数である。勿論世の中には英語の達人がいくらでもいるので、私ごときが英語の学習法について語るのはいささか、僭越であるが、少しは他人様の参考になればと思って書いている。

 TOEICは分かりやすいので引き合いにだしたが、本当は点数はどうでも良い。実際に使えなければ意味がない。私はロンドンで英国人ばかりの職場で4年間つとめるのに困らなかった程度の英語のコミュニケーション能力をもっている。自慢ではない。音読をつづけることによって、その程度には誰でもなれると言いたいのである。

 日本における、同時通訳者の草分けであるばかりでなく、「同時通訳の神様」と呼ばれた國弘正雄氏が、1970年代に「英語の話し方」(サイマル出版会 絶版)という本で、「意味が理解できる英語の文章を、繰り返し音読する事が英語の総合的な能力の向上に効果的である」ということをお書きになった。私が予備校生の時に英語の先生が教えてくれたのだが、その先生にはいまだに感謝している。

 サイマル出版会刊の本は既に絶版となったが、幸い、数年前に國弘先生が再び国弘流英語の話しかたという本を書かれた。こちらには一層詳しく、音読を中心とした英語の学習方法が述べられている。英語は好きだが勉強方法が今一つわからない、自信が無いという人は多いと思う。そういう人には(学生さんに限らず)迷わずこの本を薦めたい。


2003年03月06日(木) <性犯罪者写真>ネット公示は合憲 米連邦最高裁判決←日本でもこの方法を採用すべきだ。

◆記事:米連邦最高裁は5日、州政府が刑期を終えて釈放された性犯罪者の写真や住所などの個人情報をインターネット上で公示する「ミーガン法」を合憲とする判決を出した。再犯による被害防止につながるとして多くの州が制定する一方、元受刑者の人権を侵害し、社会更生の妨げになるとの反対論もあり、社会的に注目を集めていた。

◆所感:日本でもこれぐらいやるべきだ。折しも、日本では昨日、警視庁捜査1課と葛西署が、インターネットで仲間を集め少女に暴行していたとして、東京都江戸川区中葛西3、古紙回収業、藤井貴満被告(31)=婦女暴行罪と強盗罪で既に起訴=と北区上中里1、会社員、高橋重智容疑者(34)を婦女暴行と強盗容疑で逮捕していたことが明らかになった。

◆こういう連中は、暴行することによってのみ、性的な快感を得ることができる異常な人間である。数年間刑務所に入れたぐらいで、その性癖が矯正されるとは、とても思えない。矯正どころか、去勢しても良いぐらいの連中である。なのに、例えば、かつて、日本中の良識ある人々を激怒させた、女子高生コンクリート殺人の首謀者たちは、成年に達していなかったこともあり、とっくの昔にシャバにもどり、いけしゃあしゃあとくらしている。

◆性犯罪の被害者は実に気の毒だ。直接的な肉体的・精神的苦痛は察するに余りあるし、その後も被害者なのに、世間から奇異な目でみられる(これをセカンド・レイプという)ことによるストレスで、精神に異常をきたしてしまう人も多いと聞く。

◆人の一生を台無しにした人間はそれなりの報いを受けるべきである。取り返しがつかないことをしてしまった罪の重さを骨の髄まで、思い知らせなければならない。悪いことだと知っていて、なお、犯罪を犯した場合、他の誰でもない、本人が悪いのだから。


2003年03月05日(水) 世論調査:イラク攻撃反対84% 小泉内閣支持率は45% 日本政府はそれでも米国を支持するの?

◆記事:「毎日新聞が1、2日に実施した全国世論調査(電話)によると、米国などが今の時点でイラクを攻撃することに反対する人が84%に上った。賛成との回答は11%にとどまった。小泉内閣の支持率は前回調査(1月25、26日)より8ポイント下がって45%、不支持率は6ポイント増えて36%となった。景気への不満に加え、イラク問題での日本政府の姿勢が内閣支持率の下落要因になったとみられる。」

◆所感:反対理由では「いかなる戦争にも反対だから」が一番多くて72%。これが自然な感覚だろう。日本国政府がこれでもブッシュの企てを支持するのであれば、自国民の意見よりも、米国に追従する事の方が重要だと考えていることになる。こういう政策の有り方を国民不在という。

◆小泉氏は日本国の宰相である。日本国民の意思を無視してはいけない。


2003年03月04日(火) 芸能界は、気が遠くなるほどいい加減な世界らしい。

 広島で、中川家の弟が暴行事件を起こしたのは、2月28日。先週の金曜日である。当分謹慎するという話だった。それどころか、昨日の報道(と、いっても、「サンケイスポーツ」だが・・・)によれば、活動休止は長期化するかもしれない、とのことであった。

 ところが、今日ネットでニュースを読んでいたら、何と!明日から活動を再開するというではないか。開いた口が塞がらない。

 サラリーマンが暴行罪で逮捕されたら(要するに不祥事を起こしたら)クビだ。少なくとも私の勤務先なら、そうだ。不祥事を一度でも起こしたサラリーマンは社会的生命を断たれる。

 それにひきかえ、芸能界というのは、何なんだ?

 暴行罪はおろか、覚醒剤取締法や麻薬及び向精神薬取締法違反で実刑判決を2回も3回も受けた奴が、平気でのさばっている。要するにその程度の世界なのだろうが、そういうことが通用するのは、世間がこれを許容してしまうからである。日本人は忘れっぽ過ぎる。

 堅気なら、暴行罪やら、覚醒剤取締法違反などは取り返しがつかないことなのだ。そういうことをしでかした人間を、いい気にさせてはいけない。


2003年03月03日(月) ブッシュはヒトラー並みに危険な人物だ。

◆記事
 「ブッシュ米大統領は28日、テロ対策を統括する新官庁「国土安全保障省」の始動を翌日に控え、職員を集めて演説し「米国はテロとの戦争に勝つ。なぜなら米国は最も偉大な国家だからだ」と述べ、対テロ戦争勝利への決意を強調した。」

◆ブッシュはいよいよ危なくなってきた。
 どうしてこういう主張が出てくるのかと思っていたら、ブッシュはキリスト教原理主義者だからなのだということがわかった。

 キリスト教原理主義というのはキリスト教の宗派の一つではなくて、宗派を横断している超保守的な信仰運動である。要するに聖書の教えを文字通り信じて、神の天地創造をそのまま受けいけるので、人間が猿から進化した、と唱える進化論を否定するというのだから、この21世紀に、そして、一見「自由の国」とみなされているアメリカにこういう人々がいること自体、恐れ入る。

 これが、ほんの一部の人数であるならば、放って置けば良いのだが、アメリカの中部、南部を中心に3000万人もいて、一大政治勢力になっている。ブッシュが大統領として当選できたのも、キリスト教原理主義者たちに取り入ったからだ、というのだから怖い。

 キリスト教原理主義はたとえば、中絶を聖書の教えに反するものとして猛烈に反対しており、中絶手術を行う産婦人科医を何人も射殺しているのである。狂信的なのだ。また原理主義者はみな白人であり、白人優越の人種差別的思想を抱いている。

 そして、信じられない事に、彼らは旧約聖書にかかれているアルマゲトン(世界最終戦争)が実際に起こりつつあり、その手始めがイラクを倒すことなのだという。イスラムだけを敵視するのかと思ったら、アルマゲドンの過程においてユダヤ人の3分の2は死に、3分の1はキリスト教に改宗して生き残る、とか、ハルマゲドンの終わりについにキリストが復活するとか、他の人々から見れば単なる妄想のようなことを、聖書にそう書いてあるから、という理由で信じているらしいのだ。簡単に言えば、合理的に物事を考える事を拒否し、自分たちが絶対正しいと信じている人々ということになろう。

 こういう人々が一番危ないのだ。

 ブッシュは若い頃は信仰心などなかったのだが、30代の後半に事業に失敗したり、地方選挙に落選したりで、やけを起こしアルコール依存症に陥っていたときがあったが、テレビ伝道師として有名なキリスト教原理主義者に出会って、すっかり洗脳されてしまったらしい(その方が政治的に有利だという打算も勿論あったであろうが)。

 40歳の時に、ブッシュは両親に対して「天国へ行く事ができるのはキリスト教徒だけだ」というので、さすがのおやじとお袋さんもびっくりして諌めたのだが、納得しなかったという。そうであるならば、(そうでなくても、歴代の米国大統領の本音はみな同じかもしれないが)ブッシュは、所詮日本人なんか、どうでもよい、と考えている事は想像に難くない。

 ヒトラーの率いるドイツと日本とイタリアは第二次世界大戦で同盟関係にあった。日本はあのとんでもないヒトラーの味方だったのだ!しかし、ヒトラーの主著「我が闘争」の中で、彼は日本人を「劣等民族」と蔑んでいた。当時の日本語訳にはその部分が省略されて出版されていたのである。

 ブッシュとブッシュをいち早く支持している小泉政権は、約60年前のヒトラーと日本に似ているのではないだろうか?


2003年03月01日(土) 航空管制システムに障害。トラブルがあって初めて分かる、有難さ。

◆記事
 「航空管制システムダウン 全空港で一時離陸できず
 1日午前7時ごろ、埼玉県所沢市の国土交通省東京航空交通管制部のコンピューターシステム2系統がダウンし、羽田や成田など全国の空港を出発する航空機が約20分間にわたり離陸できなくなった。
 約1時間後、システムの一部を立ち上げ、午前8時半ごろから、交通量の多い空港で、通常は約2分間隔のところ5分間隔で運航。羽田発の主要路線は午前9時ごろから通常通りの管制で出発が可能になった。
 2系統がダウンしたのは1998年1月以来。一部のデータは消えた。システムは午前11時ごろに全面復旧したが、航空各社によると、羽田発札幌行き日本航空517便など23便が欠航し、最大で約3時間遅れた。ダイヤは終日乱れる見通し。全日空によると、同社の欠航便は8便で影響人員は約3600人。」

◆所感
 世の中の殆どの仕事がそうなのだが、普段、問題なく行われている時、人は何も言ってくれないが、何か問題が生ずると、途端にギャーギャー文句を言われる。

 日本の領空では、毎日何百機もの飛行機が飛んでいる。日本の管制区域の約70%を東京航空交通管制部(航空業界では「東京コントロール」という)が担当している。

 東京コントロールは1年365日、24時間、日本の空の交通を監視・管制している。当然、そこではさまざまなコンピューターシステムが稼動していて、それを24時間管理しているエンジニアがいる。

 我々が、普段、安心して飛行機に乗れるのは、こういう人々がちゃんと任務を果たしているからなのだが、大部分の人はその有難さに感謝することはない。しかし、今日のように、何年に一回かでも問題が生じると、それが全てであるかのように「管理に問題はなかったのか?」などと批判する。

 いくら管理していても、コンピューターは人間が作ったものだし、それを監視するのも人間なのだから、100%完璧ということはあり得ない。

 文句だけ言うのではなくて、こういう出来事をきっかけに、世の中を支えている沢山の人に感謝すること、を思い出したい。


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