活字中毒のワタシの日記

2018年10月19日(金) 日沖宗弘『学問としての四柱推命』★★★☆☆

日沖宗弘『学問としての四柱推命—その歴史と現代への応用

読書メモ。

易について。陰陽五行について。気学について。
八卦から六十四卦。
ほんとに学問。基礎知識が得られる。

真の起源は?
「中国占は、まず天文学や農耕と不可分に結びついた暦学がその基をなしたと思われる。次に十干・十二支によって多くの人間の一生を記録しているうちに、そこに法則性のあることに気づいたのであろう。」(p121)

何が読み取れるのか?
「命式や本命星から、我々はまずその人の性格(「心の一部」を読み取らねばならない。ただし必ずしも善悪とは関係がないから注意が必要である。」(p122)

「古代人たちは普通の人間には見えない死後の世界を『科学的』以外の方法(即ち思考・瞑想・想像など)によって探究し続けてきたし、科学が証明不可能であるとして立ち入ろうとしない人間の運命についても、おそらくは統計的に、または直観的に研究し続けてきたのである。彼らにとってはその方法が瞑想であろうと直感であろうと、出てきたものが有用ならば、それで良かったのである。われわれは彼ら古代人たちの叡智をいま一度振り返り、まじめに吟味してみる必要があるのではないだろうか。なぜならば、そこに新しい『科学』の道が開けるような気がしてならないからである。」(p124)

「四柱推命では、大運といって十年ごとに五行のどれかがその人に廻り、その人の命式を助長して悪くしたり、逆に平衡にもっていったりする。ということは、一生のうちのある時期に、その人の性格上の欠点を助長するような境遇におかれたり、そのような事件が起こり、その人が試されることになる。その人が慎重に対処すればわざわいが最小限ですむ。逆にその人にとって良い五行の大運が廻れば、経済的に豊かになってゆとりができるのだから、自らの欠点を是正してその幸運をできる限り延長するのが彼の務めとなる。」(p126)

医学、哲学、宗教と易占
「人間の体内を循環する五行の『気』を研究の根幹とする漢方医学は、現代医学によって確かめられつつあるために学問として市民権をもつに至ったし、同じ目に見えぬことを研究する哲学は『古典』という学問の地位を確保してきた。また宗教学や神学も『古典的学問』として認められているために、大学に神学科があっても、誰も不思議に思わない。
それなのに、同じ目に見えぬ分野である人の心や運命を扱う易占学が、単なる遊びや迷信とされているのは残念でならない。易占は、古代においては他の学問と肩を並べ、知識人の必須科目であったのだ。」(p128)
ふたたび注目されてしかるべき、と。

「秀才というと、印綬とか正官とか、何か特別な『星』を持たねばならぬと考えられてきたが、それは誤りであることがわかった。五行の流通が良く、命式が美しくバランスしていれば、それでよい。」(p162)

凶運期のしのぎ方。
「まず、占いによって自らの欠点を知ってそれを正し習慣化すること。これによってストレスが激減する。たとえば競争心は必要のないものである。人と競争するという考え方は根本から間違っている。自分の能力を十分に出し、人とは助け合うものであって競争する必要はない。
次に凶運期や大凶運期をしのぐには、ひたすら捨てることである。この時には、金、家、土地、物、配偶者、恋人、父母親類の全てを、その程度に応じて手離さねばならなくなる。(略)手離し難いが、手離さねばならない。さもなくばトラブルは終わらない。捨てることによって運の悪化がほんの少しずつおさまり、時と共にゆっくり回復に向かう。短くて三年、長ければ数年かかる。こうして運の下降が止まって水平となり、静かな生活が訪れる。あとは上昇するに任せればいい。」(p173)

自分に原因のない凶事。
「私の推命の経験では、人を助け、人格温厚な人々は、命式が予定する以上の境遇にあることが多かった。温和な心を持てば人から好かれ、助けてくれる人も多く、そのような心で生活した時期が長ければ長いほど生活が好転するというのはうなづけよう。」(p175)

シンプルな開運。
「中国陰陽五行思想や推命学の結果たどり着いた開運の(少なくとも下降運を多少なりとも喰い止める)方策は、自らの欠点を知って正すこと、物に執着せず、捨てること、人並み以下で耐えること、悪運の種を播かないこと、人を助けること、温和な心を持つこと、など至極あたり前なことばかりとなった。そしてこれらは期せずしてブッダやイエス・キリストや孔子など古の聖人の説くところと大同小異である。私は命式分析や気学九星の長所・短所を知り、それによって己を知れということをつけ加えたにすぎない。」(p175)

基本に戻りたい時に、読み返すとよい本だと思った。

日沖宗弘『学問としての四柱推命—その歴史と現代への応用



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