2007年07月23日(月) |
辰巳 渚『子どもを伸ばすお片づけ―できる子とできない子とではぐんぐん差がつく』★★★★☆ |
『子どもを伸ばすお片づけ―できる子とできない子とではぐんぐん差がつく』 辰巳 渚 岩崎書店 (2004/12)
がっくりきました。
以前もあったのだけど…こどものしつけ系の本を読んでたら、図書館の本なのに書き込みや端を折ってあったり。 この本もすごい勢いで同感しながらやったね、という線がいっぱいひかれていました。
物を大事にする、ってどういうことかわかってんのかな?
そのどこかの誰かが線を引き、私も同感だと思ったところ。
「『お片づけができる子にする』とは、『きれい好きの子にする』『収納上手な子にする』ということではなくて、『人として豊かに、幸せに生きる基礎を身につけた子にする』ことだと思うのです。」(p22)
さらに、他人の家が散らかっているのを見た時にいけないものを見たような気分になっちゃうのは、『人生の基礎』を身につけないでここまできちゃったからというのを感じるからでは、というあたりに○をつけてる何処かの誰か。
図書館の本に書き込みしないのは、基礎ですよ。
でもまぁそういう本を読んでるくらいな人だったら、今頃は変わっているのかもしれないですね。
それはさておき、この本についてはがっくりどころか、ふせんいっぱい入れてしまいました。もう毎日「片づけなさい!」を言ってる親御さんにはおすすめ。 私もこの本の通りできたら言わないですむ日がくる、と思えました。
お片づけとはどういうことか。 ただしまう、並べるということではなく、いるのかいらないのか、どこにどのようにしまうのか、取り出しやすく戻しやすいか、自分にとっての適量は。 それを考えつづけ、維持管理していくこと。
うーん、さらっと書いてしまうと簡単そうですが、これってものすごく重要。
私自身も課題だし、子どもにとっても課題だし、子どもへどう教えていくか、も課題。
で、その親へのアドバイスとして、親が導くべきこととして、あげられていること。
「1、定位置を決めておく 2、一定量を決めておく 3、片づけるタイミングを知らせる 4、取り出しやすく、戻しやすくする 5、原則を作る」(p42-52)
で、原則とは。 「1、パブリックスペースには個人の物は置かない 2、『上』には物を置かない」(p53-55)
「片づけないと捨てちゃうよ」を口先だけではなく、実行する。もしくは実行する覚悟で口にする。要は子どもが「あっほんとに捨てられる」と思えるかどうか、そして「ルールだから、ルールを破ったから捨てられても仕方がない」「捨てられたくないから戻す!」と思えるかどうか。
子どもに親は本気なんだ、と知らしめること。 これは片づけに限らずいつでも必要なこと。 親がブレない、そういうこと。
私も耳が痛いのだけど、「机の上、床の上に物を置かない」。 実行できると、ほんとにさっぱりすっきり、気持ちがいい。
それができないのは、著者によるとテクニックではなくタイミングの問題だそうです。
「つい、『あとで』『今度』と思っているうちに、出しっぱなしになってしまう。」(p92)
大人でさえタイミングを意識的に決めて実行するのは難しいこと。 だから、子どもが小さいうちは、親が『夜寝る前』だとか『帰ってきたらすぐ』とか知らせ習慣づけることがいい、と。 そして机の上、床の上は何もないのが普通の状態、あると逆に気になる、落ち着かないくらいまでいけたら上々。
もちろん、まずは親、ですね。はい…。
「基本的には『言われたらすぐやる』のが大切です。『すぐやれる子』に育てる義務が、親にはあります。」(p99)
と、ある芸人がそれができずに破門された話を紹介しつつ、それが礼儀でありあらゆることへの姿勢を表す、とも。 確かに人への信頼って、そういう早さ、確実さとともに高まるように思います。
ただ何でもかんでもすぐにしろ、というのではなく、子どもなりの時間の流れにいる時、たとえば物語を読んで集中している時などは、その没頭を優先させる、そんなことも提案されています。
「見て見ぬふりをしないで、ひょいと拾う癖をつけましょう。」(p141)
「今日は掃除だ!」とがんばらないでもいつでもきれい、を維持するためにはそういう行為が必要で、そのために親は落ちたのを教えたり、食べ終わった時に探させたりするといい、と。 汚した後を子どもに始末させる、そんなことを習慣づけていくのも大事なこと。
先日こどもにトイレ掃除を教えてから、たまにやってくれるようになりました。 私の掃除の頻度も減って嬉しいのもあるけれど、皆で使うものだから、皆できれいにする、それが当たり前になってくれたら嬉しいなと思います。
それが基本となって、社会に出て行っても公共のものを大事にする、きれいにする人になれるのだと思います。
ああ、偉そうに言える立場じゃないけれど、上から目線、下から目線と忙しくなってしまう本でした。
「そして、どんな出来事に遭遇するか、ではなく、遭遇した出来事にいかに対処するか、によって、さらに人生を豊かにするか否かが変わってくるのではないでしょうか。 そのためにこそ、さまざまな出来事には動じることなく、大げさに考えず、自分を失わない、そんな人であってほしい、と思います。もう少し言い添えれば、そして、どんなときでも楽しそうな様子の人であってほしい、と。」(p199)
親の私が問われてる。
私は今日一日、楽しそうな様子だったかな。
『子どもを伸ばすお片づけ―できる子とできない子とではぐんぐん差がつく』
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