刑法奇行
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2005年07月26日(火) 大阪で生まれなかった男そして神戸

 先週の土日は関西にいたので、地震を体験しなかった。しかし、きのう研究室に行ったら、何冊か本が床に落ちていたので、事後的に感知したのである。下部構造が崩壊すれば、上部構造は崩壊するのである。

 土曜は、某研究会と学術会議シンポ(人身取引の問題を考える)であった。中之島にあるOS大センターで行われ、それぞれ収穫があった。わざわざ大阪に来た甲斐があったというものだ。美しい施設であり、中はさわやかで涼しい。しかし、外はあまりに暑い。大阪の暑さについては、以前K口君から聞いていた。何と、ゴキブリも暑さで死ぬそうである。ほんまかいな。

 ともかく、S久間さんには、大変お世話になった。至れり尽くせりである。決して歌わないのに、カラオケまで付き合ってくれた。K端先生も決して歌わないが、妙な踊りを披露していただいたし、S岡さんの歌もはじめて聞いたし(これがうまい)、感激であった。

 日曜は、K西部会である。O塚さんのいるK戸大にはじめて行った。U田君とK島君というバカ田大関係者の報告を聞くためである。それぞれの個性が出た報告だった。若いうちに皆の批判を受けることは必要なことだと思う。もっとも、批判されても岩のように動かないのであれば、意味がないし、ころころ変わっても良くないし、硬直性と柔軟性とがバランスを保っていることが大事であろう。もっとも、これが難しい。

 昼飯は、三宮まで行って、うまいビーフシチューを食べた。S久間、S岡、そして、またもやF町君である。北海道から髪を立たせてきたわけである。K西部会は、適度な人数である。それに対して、T京部会は、ほとんど本大会と同じであるので、若い人の報告の機会がないことは残念!
暑さのせいもあり、結構疲れてしまった。大阪も神戸もそれぞれ住めば都かもしれないが、やはり異邦人状態となってしまう。

 まあ、ローの授業も終わった。最後に拍手があった。アンコールはないからと切り返した。いよいよ、待望の夏休みであるが、仕事は山ほどある。麦わら帽子はもう消えたのである。

ジャスティス for 僕の麦わら帽子はどこへいったの?

追伸
オープンキャンパスでまた、わがゼミが模擬ゼミをやります。
http://www.waseda.jp/hougakubu/main/applicants/hogakubu.html
恒例となっているのだが、他のゼミはどうなっているのか?

さらに、7月30日にCOE民事のグループのシンポをやります。
午後2時から8号館3階大会議室です。参加自由。
企業の責任の問題を、リバタリアニズムや修復的正義などの
深みにまで入って検討します。S谷仙人も報告します。


2005年07月03日(日) RJとVOM

 修復的司法に関する重要文献(邦語)が2冊出たのでこの場を借りて紹介する。一方、外国文献は依然として膨大な量であり、S川さんの言うとおり、これだけヒートし続けているテーマも珍しい。何かコワイ気もする。夏の真っ盛りから、今はもう秋誰もいない海、となるのが人の世の常であるからだ。まあ、テーマの射程距離が広大であること、テーマに夢と希望があることなどが一因かもしれない。それに比べて、テーマの射程が狭く、絶望しかない何々何々・・・、繰り言はやめよう。

テッド・ワクテル 著/山本英政 訳
『リアル ジャスティス―修復的司法の挑戦』(成文堂)
第1章ある窃盗事件、第2章被害者の疎外、第3章ワガワガから来た警察官、第4章オーストラリア、第5章修復的司法、第6章夢に向かって、第7章北アメリカでの試み、第8章語り、第9章恥じるということ、第10章自立への旅立ち、第11章警察、第12章学校で、第13章大学での試み、第14章裁判所、第15章矯正、第16章職場でも、第17章不意打ちを回避する、第18章事実がすべて?、第19章コミュニティ、第20章おわりに、第21章エピローグ

藤岡淳子編著
『被害者と加害者の対話による回復を求めて―修復的司法におけるVOMを考える』(誠信書房)
第1章犯罪をめぐる「体験」について考える、第2章修復的司法とは、第3章被害者加害者対話(VOM)とは、第4章当事者はVOMについてどう考えるか、第5章警察における修復的司法の現状と課題、第6章家庭裁判所における修復的司法の現状と課題、第7章付添人(弁護士)としての立場からみた修復的司法の現状と課題、第8章矯正からみた現状と課題、第9章更生保護の立場からみた修復的司法の現状と課題、第10章被害者支援の立場からVOMを考える、第11章VOMの日本における現状と今後の実践について、第12章被害者と加害者の対話による回復を求めて

ジャスティス for 拙著も3刷りなのだ!



norio

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