hazy-mind

2007年05月15日(火) 『情景』 短編詩



彼女は目を覚ました。
少し身体が痛い。

昨夜は寂しい気分で
机に向かったまま眠ったようだった。

そのまま横を向くと
写真たてが伏せておいてあった。

それが昔から伏せてあったのか
寝ている間に伏せられたのか
彼女自身が伏せたのか
ほかの誰かが伏せたのか

彼女は思い出そうとはしなかった。

眠った姿勢が悪かったのか
やはり身体がすこし痛む。

彼女は少しの間
写真たてを眺めたあと 
小さくのびをし、身体をほぐした。

それから時計を意味もなく眺めたあと。

彼女は。

大きくのびをしながら、写真たてを立てた。


そして外に出た。
カメラを持って。

  写真のない写真たてはかわいそうだ

そんなことを
さみしがりやの彼女は思いながら。


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